まつどとか
千葉北西部、
        くさのめも
      周辺ぷち植物誌。
© T. Codd

キカラスウリ

キカラスウリ 花
ウリ科 カラスウリ属
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Trichosanthes kirilowii Maxim. var. japonica (Miq.) Kitam.

花は毛のようになっている部分を除くと4cm程度なので、図鑑等で何となく抱いているイメージより随分小さいと感じられる方が多いと思われる。つる性で数m、かなり伸びる。
花は大抵夕方から、場合によっては完全に暗く夜になってから咲き、朝・昼もまだ咲いている。(カラスウリの場合は朝には萎む例が多い。)
果実は熟すとちょっと汚い黄色ですかすか萎んだ感じになり、朱色で張りがあるカラスウリと区別できる。形状も異なる。花もかなり異なるので一目で分かり両者を間違うことはありえない
カラスウリの繊細でしっとりした花と印象がだいぶ異なり、ぼさぼさ、ぱさぱさした印象。
雌雄異株
開花の前日の蕾にはアミメアリ等がたかり、花後数日の萎れた花も香りが強く、アミメアリ、スズメガ類、小さな甲虫等がやってくる。
雄株では大抵多数の花をつけるため、灯りをあてると結構派手になる。
香りはかなり強く、群落の周囲にはかなり濃く立ち込めている。夜に咲いているだけあって虫を寄せるには匂いの強度が命、か。

全景

キカラスウリ _allall キカラスウリ 全景 一見こんもりとして見えるが、カーテンというか布状になっている。基本的に葉腋から出る短いコイルばね状のつるが絡む以外は上に被さって這うように育つ。

雄花と雌花(三段目にある二枚のみ)の様子

キカラスウリ 花 キカラスウリ 雄花 キカラスウリ 花
雄株では花つきがよく並んでいると面白い。雄花は中央部が黄色いため雌花よりきれいに見える。
カラスウリは花冠裂片自体ははっきり披針形で脈の一部が裂片をきれいに縁取るように入りひらひらした糸状部分とはっきり分かれているが、このキカラスウリは裂片自体が台形でそのまま細い部分に移行する感じになる。
カラスウリともう一つ異なる点は、裂片先端中央が緑色の硬い角状になっていること。この部分は蕾の段階ではつんつん立っていてより目立つ。
カラスウリのように最盛状態(20時以降)で裂片部分全体が一旦卵状に強く反ることはなく、弱く反る程度でほとんど平開したまま。右は開花翌日の夕方で、カラスウリと異なりまだだいぶ状態はよい。

キカラスウリ オシベ キカラスウリ オシベ こちらはオシベの様子。象牙色で寄り添った葯には外側(花冠側)に黄色いぷっくりした卵形基部を持つ半透明の白い腺毛が生え、その先には薄い灰褐色の小さな花粉が乗っている。
なお、花冠の内側には開出毛が生えている。

キカラスウリ トップ キカラスウリ 雌花 雌株では花がひとつひとつでつくためかなりまばら。また、黄緑で突き出した3本の柱頭自体は目立つものの色合い的に雄花ほどきれいな感じではない。地味。

雄花の詳細

キカラスウリ 花冠外 キカラスウリ 花の中・オシベ キカラスウリ オシベ葯 花が終わり地面に落ちているものをその場で開いて撮影。咲いているのをむしりとって撮ったものではない。(もちろん撮影後はその場に残す。何かの餌になるだろうから。)
外側では緑の萼片がよく分かる。
内側では、長さ7mm程度の葯がついたオシベが5本あり、合着はしていない
花糸は長いのかと思いきや、5mm程度で花冠について消失し、それより下の畝は花糸が直接同一連続している感じとは少し異なる。
外周向きに葯の裂け目がある。基部が黄色く卵形の白い毛がよく分かる。薄い灰褐色の粒々が花粉。

葉と茎の様子

キカラスウリ 葉 キカラスウリ 葉 葉は8cmから10cm程度ある。カラスウリより小さいものが多い。
無毛でつやがあり、切れ込みも深くそれぞれの裂片の先端が鋭く縁もやや直線的なのでカラスウリと全く異なる。
ただし丸い葉もあるし裂片があまり尖らない葉もある。

キカラスウリ 茎等 キカラスウリ 茎等 茎には互生する葉がつき、その葉腋から花柄が出ていて花柄基部には線状三角形の小さな苞がつき、苞と逆側に電話コードのようなくるくる巻きばね状に巻いたつるが出ている。
節周辺は白い開出毛で少し毛深くなっている。

気をつけないと…

キカラスウリ 丸葉つや鈍の葉 カラスウリ 丸葉つや鈍の葉のキカラスウリ 葉
これらは同じ株の写真。(右の写真は、混生しているカラスウリの葉も見える位置を撮影。)
葉形や色、つやに違いがあるから大丈夫とかあまり思い込んでいるとこういう自然からの「贈り物」が現れる。
このような丸い葉でつやも鈍い、色もカラスウリっぽいタイプも結構ある。
まぁつやがないものの場合でも、カラスウリのしっとりした葉質と異なり鈍いすべすべ感はある。

果実の様子

キカラスウリ 果実 キカラスウリ 果実 キカラスウリ 若い果実
キカラスウリ 果実 キカラスウリ 黄色くなった果実 キカラスウリ 茶色くなった果実 果実はあまり長くなく、丸っこい。結構大きくごろっとしていて、長さ7cmから8cm程度。ずっしり重い。
若い時期には白緑の斑点が無数にあり、凹んでいる部分だけやや縞状に斑点の薄い部分がある程度で地色は全体的に同じ濃緑で、カラスウリのような「はっきりとしたスイカ模様」がない。

雌花の開花までの様子

キカラスウリ キカラスウリ キカラスウリ キカラスウリ キカラスウリ キカラスウリ キカラスウリ
出始めは花柄も合わせての長さはほんの1cm程度。
大きな線形の萼の内側に、5裂した花冠の各片中央部が角状に突き出しているので、カラスウリの綺麗な球形の蕾とは印象が異なる。
このサンプルは雌花なのだが、果実になる子房の上から萼までは萼筒。段々と白黄色っぽくなり伸びる。
萼筒の色が明るくなり始める頃には、全体の長さで3cmから4cm程度になっている。
花冠裂片が伸びて縁も膨らんできている。明るい部分と脈の部分の色の差が出て模様もよく分かるようになってくる。
展開を完了した頃には裂片が台形に大きく広がり目立たないが最初に突き出ていた中央の緑の部分は残っている。

雄花の開花までの様子を追加

以下は雄花での、(6)から(7)の間。
ちなみにこの間、一時間。ガソリンスタンドの脇でやたら明るいためなのか、かなりかかった。

雄花の開花


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熟した果実と種子の様子

キカラスウリ 熟した果実 熟した果実はかなり鮮やかな黄色果肉も鮮やかな黄色で、繊維質だが水分をたっぷり含みゼラチン状。
「溶けたかぼちゃ」という感じ。
種子は他の部分とはやや分かれた薄膜状の果肉で包まれている。
左右非対称な偏平な倒卵形で、独特な種子のカラスウリとは対照的。長さ0.9cmから1.1cm程度。厚さ2mmから2.5mm程度。
表裏で盛り上がりがやや異なる。
縁は厚くぷっくりした翼状になっている。細くなっている基部側では翼がよく膨れていて、最基部は(接続するので当然だが)翼はない。
表面はあばた状。

キカラスウリ 果肉に包まれた種子 キカラスウリ 種子表 キカラスウリ 種子裏

スズメガ類の吸蜜の様子(※宮城県)

キカラスウリ 蛾 キカラスウリ 蛾 キカラスウリ 蛾 キカラスウリ 蛾
キカラスウリ 蛾 キカラスウリ 蛾 経過撮影中、巨大で灰褐色のスズメガ類がやってきたので撮ってみた。異様に多数咲いている場所ですべての花で吸蜜し、白い服の私にも数度たかってきた。やたら大きい種類だった(羽を開くと8cmくらいある)ため、さすがにちょっと怖かった。
とまった際にU字になる黒い帯模様が速そうでかっこいい。シモフリスズメの類だろうが、私にはエゾシモフリスズメなのか他の何かなのか、不明。(※このセクションの写真だけは宮城県にて撮影。)


※カラスウリとキカラスウリの区別については以下も参照。(図あり。)
カラスウリ

花確認:
2006(F6)(F7)(F8)
2007(F6)(F7)(F8)(F9)
2008(F7)(F8)
2009(F7)
2011(F7)
2013(F7)(F8)
実確認:
2007(C1)(C6)(C7)(C8)(C9)(C10)
2008(C2)(C10)
2011(C10)

宮城県版のカラスウリ属
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