まつどとか
千葉北西部、
        くさのめも
      周辺ぷち植物誌。
© T. Codd

ヤブガラシ

ヤブガラシ 花
ブドウ科 ヤブガラシ属
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Cayratia japonica (Thunb.) Gagnep.

花は色のある中央部分だけの径で4mmから6mm程度。緑で目立たない花弁と4本のオシベは咲いてすぐに落ちてしまい、大抵中央の色のついた花盤と呼ばれるオレンジないしピンクの部分とメシベだけになっているので、形状が特異。
花序は平たく拡がっていて皿状。花柄は最基部で一旦主に三輪生し、基部に一花つけ、その先は数回、二出集散花序をつけ分岐基部に一花つける
地域によってはほとんどが3倍体で実が成らないらしい上に、自家不和合性もある模様。
つる性で3mから7m程度になる。
茎や若い葉は赤紫を帯びる。
観察する際には、よくスズメバチ等大型の蜂が寄ってくるのでかなりシビアに注意した方がよい。
都市部でもフェンス等各所で結構見かける。
花が似た、三裂する単葉のノブドウというやはりつる性のものもある。(似たと言っても、一見して分かるもので間違うことはない。花も、花弁は5枚でオシベも5本、また、花盤はオレンジやピンクには染まらない。)

花序の様子と花の拡大

ヤブガラシ 花序・花 ヤブガラシ 花序 ヤブガラシ 花の拡大
ちょっと変わった花序。
なお、よく見ていると気づくことなのだが、一段目や二段目の太い軸につく花が3弁か5弁になっている花序の個体もちょくちょく見られる。
花弁は、霜というか粗めの粉がついたようなざらざらな表面。短時間で取れてしまうためあまり見る機会がないが内側はややつやがありすべすべ。
花弁先端は舳先のようになり舟状。
和菓子のような花盤にはとてつもない量の蜜が溢れて乗っている。スズメバチを始めとしたあれだけ多数の虫が飲みに来るものなので、相当甘いのかもしれないと思い舐めてみた。思ったより重いというか粘り気があり、舌先で確認すると刺激のある甘みが強烈に拡がった。この刺激感なんかは、無理やり似ているものを探せば蜂蜜。(刺激が強く危険な気もしたので即吐き出し、お茶でうがいをした。多分甘みが強いだけで問題はないのだと思うが念のため。)
ヤブガラシ 花の拡大 ヤブガラシ 花の拡大 ヤブガラシ 花の拡大・蕾 下段は時間経過を追って。オレンジの花盤で咲き始め、花弁が落ちおしべが落ちながら徐々にピンクになる。ピンクの頃はややふやけた感じになる。なお、中ができあがるのと花弁が開くのとのタイミングの問題だろうが、開いたら既にピンクのものも見られる。

葉の様子

ヤブガラシ 典型の葉 ヤブガラシ 7小葉
ヤブガラシ 葉の解説図 葉は大抵かなり濃い緑で、つやがある。また、主脈だけでなく側脈の立体感が強く、目立つのが普通。
全体で7cmから15cm程度で、たまに巨大化して20cmを超える。
掌状複葉ではなく中央から段階的に横の小葉を段々に出す鳥足状複葉。この形態の葉をつける植物はあまり多くはない。
小葉は長楕円から長卵形で、縁は少し丸みのある低い鋸歯で各先端が細い突起状になる。

ヤブガラシ 葉 場所により個体により、少し雰囲気が異なる葉もある。

ヤブガラシ 茎 若い部分では茎も葉も大抵は渋い赤紫。茎には畝状の稜があり、つやがあるが白い短軟毛が多く生える。

あまり見られない、果実の様子

ヤブガラシ 果実 7mm程度。黒くつやがある。
ただし、千葉県で果実といっても、これ自体は虫やらの刺激を受けて過程を辿ってたまたま本来と同じ形状になっただけのもので実際にはおそらく不稔ではないかと思われる。試してないので分からないが、虫の刺激により起こすべき事象を起こして種子ができあがっている可能性がゼロではないかもしれないが、まず不稔だろう。ま、真相は分からず、ということで。
滋賀方面の知人のサイト等では気持ち悪いほどたわわに稔った写真が当たり前のものとして掲載されているのだが、残念ながらこちらではそのようなものは見当たらない。

幼生株の様子

ヤブガラシ 幼生株 芽生えてそれほど日数の経っていないもの。ぬめっとした質感とやや金属っぽい質感を合わせたような感じ。茹でたような赤紫褐色で一見目立ちそうなものだが、道端でも草むらでもどこでも、何となくスルーしがちな色。
こういう状態のものを食べる地域もあり、ヌメリと辛さがよいらしいが、私自身は、これの成分を調べたこともなくまわりにそういう習慣も代々ないので、食べる勇気はない。

虫たち

ヤブガラシ アリとアブラムシ ヤブガラシ チョウの吸蜜 アリはアブラムシと花の蜜の両方に集っていた。
それにしても、チョウの中でもアゲハの仲間はガガンボっぽくてちょっと気持ち悪い。足が長すぎるから?
アゲハの仲間は基本的に羽ばたいたままで吸っているが、足をつけている場合と足はつけていない場合とがある。
スズメバチに出会う頻度がかなり高いが、写真はない。


花確認:
2006(F6)(F7)(F8)(F9)(F10)
2007(F6)(F7)(F8)(F9)(F10)(F11)
2008(F6)(F7)(F8)(F9)
2009(F5)(F6)(F7)
2011(F6)(F7)(F9)(F10)
2012(F8)
2014(F8)(F9)
実確認:
2006(C11)

宮城県版のヤブガラシ属
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