まつどとか
千葉北西部、
        くさのめも
      周辺ぷち植物誌。
© T. Codd

ヒヨドリジョウゴ

ヒヨドリジョウゴ トップ
ナス科
ナス属
Solanum lyratum Thunb.

花は花冠を手で広げても径1.5cmから1.8cm程度。顕著なつる性で、緩やかな螺旋状に進み少し巻きつき傾向があるが、全体的にはどちらかというと乗っかる部分が多い。2mから数m。
丸みを持って羽状に5裂する特徴的な葉は互生し、茎・葉には大量の柔らかい開出毛が生える。
中途半端に弧を描いて多数によく拡がって分かれる特徴的な集散花序で、自然の中でもオフィス街でもかなりの花数・実数になる。
各花は長めの小花柄で下を向いて咲く。
特に秋から冬にかけてつやつやした朱色の果実が多数ついている時期にはかなり目立つ。街中ではコンクリート壁やフェンスで上からカーテンのようにぶら下がっていることも多い。都会のビルの隙間やフェンスでもたまに見られるので、野生ナス科の好きな私には嬉しい。

なお、花冠が薄紫のものもたまに見られ、「形態」(forma、品種。)のひとつとして「ムラサキヒヨドリジョウゴ(Solanum lyratum Thunb. f. purpuratum Konta et Katsuyama)」と呼ばれている。(別記事。)

少し引いた様子

ヒヨドリジョウゴ 引いた写真 ヒヨドリジョウゴ 引いた花序周辺の写真
葉もかなり変わっているが、結構特徴的な花序なので遠くからでもすぐそれと分かる。
かわいらしい。
もじゃもじゃ毛が多いのが嫌だと思う人もいるとは思うが。

花序と蕾の様子・花の拡大

ヒヨドリジョウゴ 花序 ヒヨドリジョウゴ 蕾 よく拡がった集散花序は、軸も各小花柄も長めで、ややひょろっとしている。
卵のような蕾がいっぱいで、花が楽しみになる姿。なお、最終の小花柄で急激に開出軟毛が減少するので、ぱっと見ですべすべして見えたりする。実際にはちゃんと生えてはいるが。
なお、花の枝は、葉と対生する。

ヒヨドリジョウゴ 花 ヒヨドリジョウゴ 開いたオシベ葯 ヒヨドリジョウゴ 花の横顔・萼
ヒヨドリジョウゴ 花 特徴的な花ではあるが、典型的なナス科っぽい雰囲気ではある。
花冠は一端ぴんと張った平開状態を通りすぐ羽根突きの羽のように反り返る、ため小さく見える。
オシベの葯はベースが鮮やかな黄色で、紫の染まりがかすれた感じに入るものと、最後まで完全に黄色だけのもの黄色が全く感じられないほど渋紫のものとまちまち。
5本あるオシベでは、葯が多くの場合の多くの時期で中央側に寄り添うようにかたまっている。葯は外側から見れば平坦ですっきりしていて、内側はしっかり立体的でふたつ縦に並んでいるのが分かりやすい。
それぞれの半葯は先端がはっきり丸く開口し花粉を出す。
中央からは長く伸びた白いメシベ花柱が突き抜けていて、先端の柱頭は黄緑から緑で小さな玉のようになっている。
花冠の裂片の基部側には各裂片につき2つずつ緑のシールを貼り付けたような盛り上がった斑点があり、その周囲も薄い黄緑になっている。
なお、裂片は縁が左右に立体的に沿っていて何となく見ると大部分が等幅に見えるが、実際に広げてみると倒披針形が多い。
萼は短い丸い片で、先は尖らない。萼に向けて小花柄が段々太る。
下段左は、花冠に小裂片が更にできている花。ちょっと面白い。

葉の様子と茎の様子

ヒヨドリジョウゴ 葉 ヒヨドリジョウゴ 葉 ヒヨドリジョウゴ 切れ込まない葉
葉の形状だが、一応基本形は5裂(裂、という表現は微妙なのだが)だが、時折3裂、もしくは単純な披針形や卵形。
全体のイメージは長卵形で先端を少し摘んだような形態になっている。基部は強くかなりはっきりした心形。
秋頃から出始める葉や栄養状態の悪そうな土壌で育つ場合葉が小さく切れ込みのないものになるのが普通。個体差自体もあるのだが、エネルギーがかなり大きな影響を及ぼす模様。
ヒヨドリジョウゴ茎の毛 ヒヨドリジョウゴ 下部の茎 特徴のひとつである茎の毛は、柔らかい透明のガラス繊維のようで、触ると非常に気持ちよい。
開出毛
なお、葉にも同様に毛が生え、やはり柔らかく気持ちよい。
基本的に丈夫に育ちまくると右の写真のようになるので、この種は完全に木本だと思う…。

果実の様子

ヒヨドリジョウゴ 果実期 ヒヨドリジョウゴ 果実 ヒヨドリジョウゴ 果実の拡大
ヒヨドリジョウゴ 未熟な果実 ヒヨドリジョウゴ 未熟な果実 ヒヨドリジョウゴ 熟した果実
ヒヨドリジョウゴ 熟した果実 果実はきれいな球形で強いつやがある。朱色。7mmから9mm程度。大量に実がついたこの種が壁から垂れて全体が真っ赤になっていることもある。(結実は超高確率のようだ。)
夏の終わり頃から深い抹茶色から徐々に赤く色づく。
いろんな色が混じる時期が一番複雑で面白い。
なお、この時期には茎の開出毛が取れ落ちている場合も多い。
夏場緑だったタイプの個体でも果実が熟す頃には花柄が黒紫に染まっている。(色の変化は日当たりや気温に大きく左右されていると思われる。)

秋の姿

ヒヨドリジョウゴ 全景 よく繁茂して花を大量につけているものを見つけたので撮ってみた。なお、この時期になると葉にまわるエネルギーはセーブされるのか葉は切れ込まずかなり小さなものが多い。
特徴的な葉にならないので花がないものを見ると分からない人もいる。

小株の蕾の様子

ヒヨドリジョウゴ 蕾 まだ50cm程度で全草が立っているような状態だが、早々に先端に花序ができていた。(※写真では途中に見えるが、奥は別の茎。)

古株と幹上の「芽吹き」

ヒヨドリジョウゴ 古株の株元 ヒヨドリジョウゴ 幹上の新芽状になった短縮している新しい枝(まだ正月)
暖かければ冬も枯れずにそのまま残り、どんどん太っていく。(毎年派手に咲くが、そのせいでずたずたに細切れにされてしまった。薬ではなくカットなので株元はきちんと残ったので、その後の年もまたしっかり育って咲いている。)

【●別の品種】:ムラサキヒヨドリジョウゴ

花確認:
2006(F7)(F8)(F9)(F10)
2007(F7)(F8)(F9)(F10)
2008(F7)(F8)(F9)(F10)(F11)
2009(F8)(F9)(F10)
2010(F8)
2011(F9)
2012(F8)
実確認:
2006(C8)(C9)(C10)(C11)(C12)
2007(C9)(C10)
2008(C9)(C10)(C11)(C12)
2009(C9)(C10)
2010(C10)

宮城県版のナス属
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