まつどとか
千葉北西部、
        くさのめも
      周辺ぷち植物誌。
© T. Codd

ハエドクソウ

ハエドクソウ 全景
ハエドクソウ科 ハエドクソウ属
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Phryma leptostachya L. subsp. asiatica (H.Hara) Kitam.

花は幅5から6mm程度、草丈は30cmから1m程度で、周辺では大抵40cm程度。花序は咲き始めは7cm程度しかないがどんどん上へ咲き進みながら間延びしていく。
穂状花序の花数自体は数えればそれなりに多いが、同時に咲く花は少ない上に花も小さいためまばらな印象。
花序より下がしっかり大きく葉序も節間が上までしっかり保たれ、ナガバハエドクソウのように下に葉が極端に溜まっているシルエットにはあまりならない。混生群落でもそれを含め各部の違いが顕著。
近所の大通りの歩道脇で林縁の日陰の藪や別の近所の林の中にナガバハエドクソウと数mだけ離れてそれぞれかたまって多数生えている。多少混生している。花期はナガバハエドクソウよりいつも若干遅い模様で、大抵の場合、2週間程度はずれている。
頻繁にシロチョウ科の蝶(キチョウ類やモンシロチョウ等)が蜜を吸いに来ていて、よほどおいしいのか一花一花、しかも結構長く全て留まっていくことも多い。

全景

ハエドクソウ 全景 ハエドクソウ 全景 ハエドクソウ 全景 ハエドクソウ 全景 ハエドクソウ 全景 ハエドクソウ 全景 ハエドクソウ 全景 ハエドクソウ 全景
やや斜めになった角度で葉が写ると写真でも分かるのだが、ナガバハエドクソウとは葉の表面の立体感と質感が一目で全く異なる。
花序は頂生の特に長いものだけではなく葉腋毎に出ているので、各節で2本、頂点では3本になっている。元気のない小さな株では頂生の1本のみになっている場合もある。

写真撮影について:
各部の拡大撮影なら基本的に問題ないのだが、全景は非常に撮りづらい。ひょろひょろと細く長くしかも花は小さく、大抵生えている場所の背景がごちゃごちゃしていて、古いコンパクトカメラのAFは高確率で被写体には合焦しない。また、背景ぼけの少ないコンパクトカメラでは、背景に埋もれないように撮るのはほとんど不可能。
(まぁ全体撮影でのピント合わせについては、位相差検出AFができる一眼レフを使う場合でも、花が小さいため三脚で固定してないと測距点から花がずれてしまうので、ある程度まじめに撮らないと結局無理、ということになる。私は荷物を増やしたくなくてコンパクトで手持ちでぱしゃぱしゃ撮っているだけなので、要らぬ苦労をしている。)

花の拡大と花序

ハエドクソウ 花序 ハエドクソウ 花序 ハエドクソウ 花序 花序はまだ咲いていない部分で軸が湾曲してうなだれている。花が咲く直前くらいにその位置の軸部が丁度垂直くらいになる。
軸は茎同様に、特に稜で白い微毛が密生しているため、フラッシュで撮影すると光ってちょっと目立つ。簡易でも何でもとりあえずディフューザがないと白く飛んでしまうので注意。

少しだけずれた二花がセットでつく、特殊なリズム。ハエドクソウ・ナガバハエドクソウの他にはこのような植物を知らない。

ハエドクソウ 花 ハエドクソウ 花 ハエドクソウ 花横(萼と花序軸と苞)
この植物で一番目立つアクセントは、花の後ろに隠れる萼上面の、三本の針のように細い線状三角形の濃い赤紫片。これが植物体で一番目立つ点とは、随分地味な植物だなと思う。花の時にはなかなか角度的に写ってくれないのだが。
また、全く目立たないが各花の基部下側に小さな突起状の苞が一花に2本ある模様。1本は脇によけ、もう1本は真下にある。この苞にも短軟毛が散生。
ハエドクソウ 花 ハエドクソウ 花 ハエドクソウ 花 ハエドクソウ 花
ナガバハエドクソウより一回り大きい。
花は唇形。前から見た場合、ほとんど白一色になるナガバハエドクソウとは異なりはっきり目立ったレベルの薄桃・薄紫が上唇の立っている部分の基部付近から滲んだ筋状に入る。これだけでも、ナガバハエドクソウと比べれば随分賑やかに思える。
上唇は斜めに突き出すように立っていて、一旦鋭く2裂して、それぞれの片の中央付近がはっきり括れるように裂け、全体にはきちんと並んだ4裂っぽく見える。各裂片の先端は丸っこい。
また、その更に下の部分はやや後方に反って巻いている。
下唇は上唇と比べ大きく、はっきり3裂し側片と中央片との間には花の奥からの二畝がある。下唇は全体的にふわっと波打ったり曲がったりして立体的。
なお、下唇はぱっと見ではほぼ白なのだが、よく見ると一応奥の方で少しだけ色味がある。(まぁこれだとほとんど分からないレベルだが。)
また、よく見ると半透明の脈が数本見える。
下唇基部側には白い毛が密生し、その少し奥で花冠が筒になっているところにオシベが左右にふたつずつ、外側のものほど少し前に出て配置している。葯はやや内前向き。間に細いメシベがあり、柱頭がオシベの葯とほぼ長さの位置に、一段分下に沈んで配置されている。(メシベが下唇畝間の溝に嵌っている状態。)

葉と葉のつき方、茎

ハエドクソウ 葉 ハエドクソウ 葉 ハエドクソウ 葉 ハエドクソウ 葉
茎全体に下から上までしっかり節間が開いて葉が散らばってバランスよくついていて、それぞれの大きさの違いも極端でない
対生して90度ずつ回転してつき(十字対生)、形状は、広卵形~卵形ベースに下部を切形にカットしつつ基部中央は摘んだように小型の三角くさび形になっている。よく見れば整ってはいないのだが何となく整然と並んで見えるはっきりした鋸歯が多数ある。
葉身のカットされたような形の分だけ、葉柄はナガバハエドクソウと異なりかなりはっきり長いので目立つ。
葉脈は主脈・側脈から細脈までがはっきりしていて、更に脈のたびに面がぽこぽこややキルティング状になっていて、更に上下にごわごわ波打っている場合も多い。ナガバハエドクソウのようなのっぺりした様子ではないため、特に斜めから光が当たっているとかなり立体的。
ハエドクソウ 葉表 ハエドクソウ 葉裏
(また、裏面で脈と面の色の違いに注意をして立体感を無視して脈を見ると、立体感のせいではなく実際に細脈までよく目立っているのが分かる。)
ハエドクソウ 茎 肉眼では白く粉っぽく見えるが、上に屈曲するC字状の白い短毛が散生している。若い部分ほど顕著になり密生している。

果実の様子

ハエドクソウ 果実 短い花柄が強く屈曲し果実が軸に下向きに張り付くので独特。こうなると萼にある紫のアクセントがようやく目立つようになる。
萼には筋に混じって白っぽくやや薄くなった切れ切れの短い筋斑点が多数見られる。
何となく、虫がとまっているような感じ。

ナガバハエドクソウとの違いをまとめると

ハエドクソウ 花 ハエドクソウ 葉裏 ハエドクソウ 根
・花の上唇は2裂した後に更にバランスよくはっきり2裂するので、きちんと4裂した感じになり、横にややぽちっと飛び出ている。(ナガバハエドクソウは各裂片は浅く2裂し横にも出ない。)
・花の上唇の染まりはこちらの方が強めなので、正面から撮ってもシンプルすぎることにはならないで済む。(…。)
・葉は細脈まではっきりしていて、また、面部分もその影響で脈ごとにキルティング状に表に盛り上がり、更に脈と関係なく全体的にも上下に波打って平面っぽくない。
・根が細く本数が多い。
○茎は節が多く節間はしっかり空いて、上から下まで大きさがそう変わらない。
○葉の基部は途中でカットしたようなおおざっぱに切形かハート形(※よく見ると中央部に葉柄につながる小さな三角部ができている)。

なお、千葉県植物誌には乾いた葉は明るい色(ナガバハエドクソウは暗い色)との記述もあるが、試した結果顕著に逆だったりしたのでとりあえず無視する。

土手からアスファルト上に流れた浅い土壌に生えていて極端に短い根が多く伸びた根が数本しか見えないので分かりづらいのだが…これは「細く多い」でよいと思う。

葉の形状と葉脈による区別

ハエドクソウ ナガバハエドクソウ 葉 ハエドクソウ ナガバハエドクソウ 葉 上がハエドクソウ、下がナガバハエドクソウ。
葉が幅広く基部が切+αのハエドクソウに対し、基部がくさび形のナガバハエドクソウ。
基部と葉柄の長さの違いに注目して欲しいため、敢えてハエドクソウは典型より細い葉をチョイスした。

ナガバハエドクソウの鋸歯は安定した角度で基部に向けてどんどん小さくなりほとんど消失するが、 ハエドクソウの鋸歯は葉形が切形にくびれる部分まではっきりしていて、角度も基部側ほど外開きになって目立つ。
結局のところ、ナガバハエドクソウの葉の基部手前を1/5程度なくして詰め、その分が葉柄になったような葉形だなと思う。

葉脈の細脈の差

ハエドクソウ 脈 ナガバハエドクソウ 脈 左がハエドクソウ、右がナガバハエドクソウ。
立体感の違いがあるためその影響を受けないで脈そのものだけ見られるようモノクロで比較。
細かい脈までしっかり目立つ状態で入っている。

簡易の図

ハエドクソウ ナガバハエドクソウ 花 ハエドクソウ ナガバハエドクソウ 葉
花は、大きさのほかは、染まりの程度・上唇の裂片の形態・点線の部分から後に反っている点、が異なる。
葉は、(横幅・)基部の形・葉柄の長さ・鋸歯の形態・細脈の太さ・表面のたわみや立体感、が異なる。(色味も多少異なる。)

ナガバハエドクソウ

花確認:
2006(F7)(F8)(F9)
2007(F7)(F8)(F9)
2008(F8)
2009(F7)
2011(F7)
2012(F8)
実確認:
2006(C7)(C8)(C9)(C10)
2007(C7)(C8)(C9)
2008(C8)
2009(C7)
2011(C7)
2012(C8)
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