まつどとか
千葉北西部、
        くさのめも
      周辺ぷち植物誌。
© T. Codd

オニタビラコ

オニタビラコ 花序
キク科
オニタビラコ属
Youngia japonica (L.) DC.

花は頭花の径で5mmから6mm程度のもの、もしくは8mmから1cm程度の大きなものとがある。

多様だが、ぱっと見た感じでは2タイプある。(色々な環境で数を見るほど実際にはまったく分けられなくなるので、あまり無理に分けない方がよい。)
【1】丈が高く茎が軟質で瑞々しくて茎の本数が少ないもの。
花序部は花期に柄が短くて密集している場合が多いがまぁそこはまちまちで、離れているものも見られる
荒れ地や路上等では各部が渋い赤紫に染まっているが、その色は鈍い場合が多い。葉に赤紫褐色のじんわりとした染まりやくっきりした染みがある場合がやや多い。
丈に関係なく頭花が小さく、まず大きくならない。花茎は実をつけて枯れて終わる。株自体は多年草なのかどうか分からない。
茎葉はバランス上小さいもののしっかりしたものがつき、大株では脇から花序の枝をよく出している。
図鑑でよく見るオニタビラコはこのスタイル
【2】細いしっかりした茎で花序は花期にもよく柄が伸びていて頭花同士が離れている場合が多く、頭花数も少なめな場合が多いため、すっきりしている。丈が低い場合が多いが、それらについては単に生育場所の都合が大きいようで、大きくなっているもの・頭花数が多いものも普通に見られる。色々あるが頭花が少し大きい場合が多いため、野草的な雰囲気(こちらはまちまちなので小さいものもある)。特に林縁で見られる場合には全くの別種にも見える。大抵は明るい方へ連続的に形態を変えて並んで生えているのでそれと分かるが、薄暗いところで1本きり生えていると他の植物のよう。
茎数は複数であることが多い。
茎葉はないか、よく育った株では下部の方にのみたまって根生葉と似たような葉を1から数枚つけている場合もある。全体が低いにも関わらず[1]と同じ程度の長さの花序を持っているのだから、残りの茎部分に節ができることは少なく葉がほとんどなくて当然だとは思う。
花茎自体が木質化して残り数年に渡りまた枝を出して花をつけている個体もたまに見られる。
花は小さいものから大きいものまである。
なお、こちらは、ネット等ではハナニガナやヤブタビラコと誤認されて掲載されていることがある。

多様な姿については、遺伝子の変異とかではなく環境に合わせて今持っている遺伝情報の性質の中で姿を極端に調整している部分が大きい感がある。ようは生育場所により雰囲気が異なる場合が多く、同じ群落内でも「林から離れるほど」等環境の違いにあわせて形がだいぶ異なっている。林縁から野原に続くひとつの群落でひとつひとつ見ていくとかなり顕著なので分かりやすい。

品種(forma.)がかなり多数あるようなのだがそれぞれがどのような性質のものかという情報には全くアクセスできず、何も分からない。(とりあえず実物の連続的な形態差が大きいので、まともに調べれば区別できなくなってまずほとんどがシノニムに組み入れられるのではないか、と個人的には思う。)
なお、
アカオニタビラコとアオオニタビラコのふたつに分ける考え(※この二者は全体の色合いで分かれているわけではない)もあり、私の把握している性質のふたつのピーク(上記[1][2])がおよそ相当しているとは思うが、数を見て様々な環境のものを見ていると実際にはこのピークが薄れるくらい多様なので、随分連続的になってしまう。
中間的なものを雑種だと考え不稔だとしているらしいが、もちろん私が周辺で見ているものはどの形態のものでもちゃんと結実して綿毛を伸ばし、痩果の中もきちんと詰まっていて膨らんでいるし、もちろん翌年以降も周辺に株が殖えてちゃんと拡がっている。

[1]のタイプ:普通に明るい場所で見られるタイプの全景と花序

オニタビラコ 全景 オニタビラコ 花序
このタイプは蕾時期から花の初期は小花柄が伸びておらず極めて短くてかたまっている場合が多いので、ちょっと気持ち悪い。ただしその後咲き進むに連れて柄は開出して上方に若干湾曲しながら伸びる。伸びるのを待たずに咲いているだけという感じでもある。
頭花はかなり小さい

[2]のタイプ:陰になる植え込みや林縁に多く見られる形態

オニタビラコ _smallhanareall オニタビラコ _hanarehanaの拡大 オニタビラコ 全景
オニタビラコ 全景 一応の傾向としては、こういった場所では柄が最初から長いものが多い頭花は大きめなものが多い。ニガナやジ シ バ リ、オ オ ジ シ バ リが好きなのでこちらの方が個人的には好きな姿。
こうなっていると野草然としてくる。
右の写真のものは、同じ場所だが何歩か離れて日当たりの都合で丈が高いもの。一応北縁で並んでいるものなのでさすがに柄は長い。これだけ大きくなると茎も太めになり、質も[1]のタイプと変わらなくなる。細かく見ると正直逆に[1]にも見える。(数歩ではわずかに日照がよい程度なのだが、これだけ変わる。)
色々な環境が狭所的に入り混じるような場所で多数生えていると形態の差を感じられて面白い。
下段は、道路脇で石の壁の下で吹きさらしになっているもの。

都内等の発達した都市部に多い[1]と[2]との中間的なもの

オニタビラコ 全景 オニタビラコ 花序 丈が高く花序が密集に近いが一応はっきりそれと分かるように離れている。茎数は…多かったり少なかったり。
頭花サイズは中間的。

葉の様子

オニタビラコ 葉 微軟毛が密生。ただし、そういったものだけではなく無毛に見えるものから完全に無毛のものまであり、毛は密生するもののつやは感じるという葉の株もある(※葉裏の毛はどれも多く、目立つ。)。
羽状深裂から羽状中裂。
一応、[1]の方が毛が多い葉になる株が多く、[2]の方ではつやがある葉になる株が多い。
ちなみにこの葉は[1]のもの。ところどころ渋赤紫が被っている。(写真が黄色被りして分かりづらいかもしれないが。)

茎の様子

オニタビラコ 多毛軟質太い茎 オニタビラコ 無毛軟質太い茎 オニタビラコ 無毛木質細い茎
茎は太く瑞々しく軟質で毛が多いもの([1]はほとんどこれ)、同タイプで毛のないもの([1]や中間的なもの)や、細い硬いもの([2])も見られる。
細いものの中には木質化した感じのものもあるが、さすがにそれは、街中の吹きさらしのものと、前の年のものがたまたま絶妙な環境で残ったもので見られる程度で、その株でも新しく伸びた枝は別段木質ではない。
※つまりは、越年草・二年草といわれる短命多年草ではない長期型の多年草の株があるということ。ただし再生しているものはたまにしか見られない。環境が揃わないと難しいのかもしれない。

果実の様子

オニタビラコ 果実・蕾 オニタビラコ 果実 ヤブタビラコ属であるコオニタビラコやヤブタビラコと異なり、こちらの種類にはふわふわした冠毛がある。

幼生株

オニタビラコ 幼生株 冬の様子。この時期も毛が多い。
空き地の草原で春を待つ[1]の個体。


花確認:
2006(F4)(F5)
2007(F2)(F3)(F4)(F5)(F6)(F7)(F8)(F10)(F12)
2008(F4)(F5)(F6)(F7)(F8)(F9)(F10)
2009(F3)(F4)(F6)(F10)(F11)
2011(F5)
実確認:
2006(C5)
2007(C4)(C5)(C12)
2008(C4)(C5)(C6)(C7)(C8)(C9)(C10)
2009(C6)
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