まつどとか
千葉北西部、
        くさのめも
      周辺ぷち植物誌。
© T. Codd

カワラケツメイ

カワラケツメイ 全景
マメ科 カワラケツメイ属
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Chamaecrista nomame (Siebold) H.Ohashi

※よい写真がないのとこちらで掲載しているのとで今は掲載していないが、宮城県(仙台市)でも見られる

花は半開し8mm程度、草丈は20cmから40cm程度。
マメ科には珍しく蝶形花のバランスではなくわりと整っている形。(ちなみに、クロンキスト体系の分類ではジャケツイバラ科とされている。)
張りがなくあまりぴんと開かない上、葉に隠れて斜め下向きに咲くのであまり目立たない。また、数も同時にはまばらなものが多い。草むらでは花が写った全景写真を撮るのが難しい。
葉腋か葉腋の少し上部、葉柄の両側の上を向いた狭三角の托葉に挟まれるような形で花序が出てその先に1から3程度の花を着けるのだが、ほとんどが1花の上、複数あっても花序内で丁度同時に複数咲いているのはまれ。
(ケツメイは漢方で言うハブソウの薬名(実はケツメイシ)。このハブソウと基本的に同じ目的で使用する植物だが、それよりもカワラケツメイといえば一旦乾燥させた茎や葉を使った岩手の汁物の方が浮かぶ。)
茎や萼や果実は白い軟毛が多い。

生えてきたのを気を抜いて放置してると絨毯のようになったりするので注意が必要。


幼生期のクサネムに多少は似ていないこともないが、ネットでよく比較の引き合いに出すほど似てはいないと思う。ぱっと見た瞬間全く違う。
まぁ葉柄のぽっちを見ると早い。

商業としての耕作地の場合:

商業用の田んぼや畑に生えてきたりした場合は生活がかかる問題になるので即刻抜いたほうがよい。下手にそのまま様子見して育ってしまい種子がこぼれてしまうと翌年からが大変なことになる。
ツマグロキチョウの幼虫の食草なので、それ以外の場合にはぜひとも大事にして欲しい種類。
なお、水はけがよく多少乾いている方が好きなのか田んぼにはあまり侵入しない。先ほどのクサネムは田んぼ縁に多く畑の方ではあまり見られない。

よく似た植物:
5花弁のうち受け皿のようになる下の一枚が極端に大きく、葉軸にある腺が埋め込まれたリベットのようではなく柄がある、Chamaecrista nictitans (L.)Moenchが帰化していて、アレチケツメイと呼ばれる。
今のところ見かけていない。

全景の様子

カワラケツメイ 全景 カワラケツメイ 全景 カワラケツメイ 全景 しばらく直立した後、急に放射状に分枝するので草地を歩くとひざに当たって結構ぱしぱし痛い。
ところどころ赤い節のある薄緑のぴょんぴょん立っている針金のように見えるものは、小葉の落ちた葉軸。
右はやや遅い時期のもの。赤紫褐色が増えてより渋く強く見える。

花の様子

カワラケツメイ 花 カワラケツメイ 花正面 カワラケツメイ 花横 カワラケツメイ 花後ろ・萼
カワラケツメイ 花 カワラケツメイ 花 カワラケツメイ 花後 オシベは4/5程度が葯で、花糸が短い。5本あるが、4本は花弁同士の間に位置し長く、残り1本は隙間に生え半分程度と短い。2本の葯でできているが、中央の葯隔を中心にそれぞれ外側が割けるためX字状に開いて面白い。
花弁は5枚あり大きさも同程度なのだが、下側で最も大きい花弁に隣の一枚が重なっているかやや重なっているものが非常に多い
倒卵形で基部がやや柄状になり、先端はかなり丸い。半開きのものが多い。
メシベは子房部が白い斜上する軟毛に覆われ扁平でやや下側に真っ直ぐ伸び、その先で花柱が強く湾曲して上方に向かう。曲がった花柱の先端の柱頭が丁度、ややくねくねしつつ伸びたオシベの先端と同程度の位置。
萼は花弁より少し短いか同程度でバランス的には大きいもの。披針形か線形。よく赤く染まり、表面には白い開出気味の上方に湾曲した軟毛が目立つ。
花柄も毛が目立つ。
(夏時期のものは染まりはあまりない。早い時期や秋時期のものではよく染まっている。)
花柄には花寄りの位置に少し離れて小さな苞葉が基本的に2枚つく。

葉と葉柄の腺・托葉の様子

カワラケツメイ 葉 カワラケツメイ 托葉と、葉柄の腺 カワラケツメイ 葉の腺 カワラケツメイ 葉の腺
葉は長さ4cmから6cm程度。整然とした20対程度の小葉の偶数羽状複葉が、色々な角度にばらついて互生する。
やや青っぽい緑から灰緑。
秋時期には小葉が次々と落ちて針金がそこらじゅうから斜上しているように見える。
小葉は基部がきつい円形、先端は円形と三角形の中間的な形状で最先端は微細な針状。その間はほぼ完全に等幅でやたらきれい。縁には斜上する微細な軟毛がある。
小葉は、お互いにかすかに重なるように斜めについている。
托葉は細く鋭い線状三角形に基部側だけやや丸みのある形状で、茎に沿って上向きにほとんど張り付くようになっている。
葉柄のどこか(先端側寄りだったり中間だったり基部側だったりと場所はまちまち。)に腺を持つ。曲がる部分よりは前方につくことが多い。
カワラケツメイ 葉の腺拡大 カワラケツメイ 葉の腺拡大 カワラケツメイ 葉の腺拡大 こちらは腺を拡大したもの。上から・斜めから・液体をぬぐったもの。
葉柄の先端側かその付近の上面に丸いリベットを埋め込んだような柄の無い0.6mm程度の腺があり、中央部から液体がにじみ出ている。
(Chamaecrista nictitansというやや似た花が帰化しつつある模様で、これは(基本的に最下の花弁が丸く大きく他の花弁を受ける皿のようになっていて、)葉柄の腺には腺より細めの茎と同色の柄があるので区別できるらしい。)

果実と種子の様子

カワラケツメイ 果実 カワラケツメイ 熟した果実の時期 果実は3.5cmから4cm程度で、薄く、縁は赤紫に染まっている。斜上するので花より自己主張が強い。かなり目立つ

カワラケツメイ 果実 熟して裂開した果実と覗く種子 カワラケツメイ 種子拡大 焦げ茶色からほとんど漆黒に熟すと左右に捩れながらぱかっと開いて、種子を零す。
種子は3.5mm程度の扁平な角丸四角状で付け根の角はややつの状になっている。
表面にはクレーターのように窪みを伴ったぷつぷつがあり、ここは色が濃い。

芽生え

カワラケツメイ 大量の芽生え 子葉はややどす黒い錆びた青銅のような色が段々鮮やかで明るい赤に変わり黄色くなって枯れ落ちる。
子葉は大きくなった段階で1cm程度。厚手。

カワラケツメイ 特に若い芽 カワラケツメイ 育ち始めた芽 カワラケツメイ 更に育った芽

水圧調整による睡眠運動

各小葉の付け根には単純な柄の代わりに丸い球状のものがついていて、それに刺さったように小葉が生える。
小葉枕(ようちん)というものらしく、この球体の、小葉上面側と小葉下面側で水分を行き来させることで小葉を開いたり閉じたりしている模様。
下面側から上面側に水分が送られて下面側(外側)に小葉が引っぱられると開き、上面側から下面側に水分が送られて上面側(内側)に小葉が引っぱられると閉じるらしい。

花確認:
2006(F8)(F11)
2007(F10)(F11)
2008(F9)(F10)(F11)
2009(F9)
2011(F8)
2014(F8)
実確認:
2006(C8)(C11)
2007(C10)(C11)
2008(C9)(C10)(C11)
2009(C9)

宮城県版のカワラケツメイ属
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