まつどとか
千葉北西部、
        くさのめも
      周辺ぷち植物誌。
© T. Codd

フラサバソウ

フラサバソウ トップ
オオバコ科クワガタソウ連
クワガタソウ属
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Veronica hederifolia L.

葉形から学名上「ツタの葉の(hederi - folia)」とつき、和名でも別名ツタバイヌノフグリと呼ばれる。
花は3.5mmから4.5mm程度、下部でのみ多数に分枝し段々ひょろっと伸びて先端は湾曲斜上し草丈は5cmから10cm程度しかないが全長としては20cm程度になる。
二人の外国人フランセさんとサバチェさんの名前を略してくっつけて名前としている、なんとも失礼な感じのもの。人の名を使うなら略すのはいかがかと。(…まぁヤスキヨと同じような感覚なのか?)
ごく小さい花。
晴天下ではよく見ないと白にしか見えなかったりするので、何となく見ている人には白い花の草と認識されていると思われる。
濃い薄い自体はあるが、厳密にみれば実際にはほとんどの場合色味はあり、やや赤味の強めなかなり薄紫色
タチイヌノフグリやイヌノフグリと近い姿をするが、 下部でよく分枝し全体が間延びして這いやすく先端が湾曲斜上するスタイルイヌノフグリの方により近い。花色も一応赤系にはなる色味で葉形も近いため、見慣れていない方は誤認しないよう注意が必要かもしれない。
なお、陽光な石垣や崩壊地での生育にも向いているようで環境上も競合している。

最盛期に長楕円の子葉が普通に残る大きな特徴がある。
全体的に毛が多く、それも長く、開出気味でくねくね曲がる。このあたりは、コゴメイヌノフグリとよく似た感じ。
クワガタソウ属の花は好きなので見つけるのは嬉しいのだが、あまり喜ばしい種ではない。帰化種の害草で、結構な勢いで広がる。近くの都市型自然公園の一角等、各所で蔓延っている。
耕作地・石垣・荒れ地・草むら、それなりに直射する光を得られればどこにでも生育できる模様。
見つけるたびに、改めて、こんなに小さかったんだ、と思ってしまう花サイズ。

全草の様子

フラサバソウ 青々とした草地での姿 フラサバソウ 枯れ葉の多い地での姿 フラサバソウ 枯れ葉の多い地での姿 フラサバソウ 全景
みんな子葉が残っている。
段々伸びてひょろっとして行き、引いた全体と花序アップしか撮りづらくなる。
裸地や落ち葉の多い草がまだ少ない場所では全体に渋い色合いで茎も薄い褐色になり、青々と茂った草地では全体に瑞々しい色合いで茎も白緑。
イヌノフグリの仲間は大抵、場所で緑部分の色変化が大きいので、多くは印象が変わる。(周囲の全く別の植物たちも同様なのだが、この仲間は変化の度合いが少し強い。)
フラサバソウ 石垣に生える全景(後期の様子) 果実期に差し掛かる頃には随分伸びて、葉だけでなく姿もツタみたいになる。
石垣に生えている個体。

花序と花の様子

フラサバソウ 花序 フラサバソウ トップ フラサバソウ 花拡大 フラサバソウ 花拡大
花冠の大きな特徴として、4裂の各裂片が小型というか少し狭いため裂片同士が重ならず丸くくびれる部分がよく見える。一目でそれと分かる。角が丸い小さな四つの菱形がくっついた感じ。この形は、他にない。一番近いのはタチイヌノフグリの花冠。
間延びしていない先端の花序はタチイヌノフグリやコゴメイヌノフグリに姿が似ている。
葯は赤みのない薄い青でやや水色っぽいので、花色とはだいぶ異なる。
右の写真は柱頭に花粉がべったり、ばっちり受粉後。

葉・子葉・茎の様子

フラサバソウ 葉 フラサバソウ 葉 フラサバソウ 子葉 通常の葉はかなり横に広い。広卵形を更に縦に潰したくらいに広く、幅が長さの倍程度あるものも普通。鋸歯は2、3段程度しかなく、形状も丸っこい。縁は開出毛が多く生え、表面は寝た毛がまばらに散生。脈は基部に詰まっていて放射状に出るように見える。
葉柄は結構長く、葉柄と接する葉の基部部分で下にくきっと曲がる葉が多い。
より長い葉柄を持つ丸い子葉は青々としていて実が成る時期にも枯れる気配はない

フラサバソウ 茎の毛 茎の毛は少し特殊な生え方。周囲全体満遍なく生えるのではなく、数本の筋状に並んで生える

受粉後・果実の様子・種子の様子

フラサバソウ 果実 フラサバソウ 受粉後 フラサバソウ 果実 フラサバソウ 果実
フラサバソウ 果実 受粉後花冠が取れると一旦萼が閉じ下に垂れる。これはオオイヌノフグリ等と共通の性質。ただその後、果実が膨らんでも下向きのままの模様。
萼に縁に目立つ開出毛がびっしり生えているので、閉じている時に面白い。
果実はくびれが少なくかなり膨れ厚みがある。果実が膨らんでもしつこく萼が取り巻くというか包む。
大きさは5mm×7mm程度。写真ではごろんとして見るかもしれないがかなり小さい。

フラサバソウ 果実 フラサバソウ 種子 フラサバソウ 種子 子房は思いのほか硬い。裂開部分で開けてみると、全部で4つの大きな種子が入っている。
種子は偏平な卵形で長さ3mm程度。背はシンプルで丸みがあり、内側は器状に凹んで、中央にエライオソームと思われる大きな塊が見られる。一見すべすべに見えるかもしれないが、よく見ると穴部分に向かって絞られるように放射状の低く緩い皺が見られる。バスキャップや給食帽の皺部分を目立たなくした感じ。
エライオソームはオオイヌノフグリのものよりずっと大きく、イヌノフグリのものより更に大きい。それまでの生育場所から段々周囲の石垣等に生育場所が移動しやすいので、実際にアリに運ばれる機会がかなり多いと思われる。

芽生えてすぐの頃とやや育ったもの

フラサバソウ 幼生株 左上は子葉のみのもの、右下はそれからしばらく育ったもの。


花確認:
2007(F3)(F4)
2008(F3)
2009(F3)(F4)
2010(F4)
2013(F4)
実確認:
2007(C3)(C4)(C5)
2009(C4)
2010(C4)
2013(C4)

宮城県版のクワガタソウ属
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