まつどとか
千葉北西部、
        くさのめも
      周辺ぷち植物誌。
© T. Codd

コハコベ

コハコベ トップ
ナデシコ科
ハコベ属
Stellaria media (L.) Vill.

花は5mm程度、這い性が強く、茎の長さは5cm程度から25cm程度。
基本的によく枝を分けて地面を這って広がって蔓延り、吹き溜まり程度の薄い渇き気味の砂・土にもよく育つ。日の光はかなり必要な模様。競合する植物があると同じ環境でもやや大人しくなる。
コハコベは条件の悪い裸地に多く、ミドリハコベは青々とした草地に多いが、あくまで傾向。
この種と似て花弁がなく萼の基部付近に紫の斑があるイヌコハコベというものもある。
通常は小型な種。環境によりミドリハコベなみに大型化する上、ミドリハコベも環境でコハコベのようになるので大きさでは区別できない。
紫系の染まりがミドリハコベより多い傾向はあるが、見事に染まるミドリハコベもあり緑だけのコハコベもあるので、色でも区別できない。また、生育場所の偏りの分、紫が多い点もある。

ミドリハコベとの区別は、オシベの本数・葯の色、花弁と萼の長さの比率・花弁の配置のバランス・花の開き具合(と萼の窄まり具合)、種子の突起の形状(※高さではなく先端の鋭さ)、で行うことになるが、実際のところそういった判断で決定しきれないような群落もそれなりにある。
あぁ、雑種かな、と勝手に思ってしまえば単純で楽だろうが、実際のところ雑種だからなのかそれともいずれかの種が変異している状態のものなのか、遺伝情報でも調べない限り判断できない。はっきりしないものはどちらとも呼ばないようにはしている。

※なお、どの植物でもそうだが、たったひとつの点だけをポイントとして決めて判断に使用しようとする方がなぜか多い。やめて欲しいと思う。

全景の様子

コハコベ 全景 コハコベ 全景 コハコベ 全景
コハコベ 全景 小さな葉なので、蔓延っていてもかわいらしい感じは…ないこともない。が、もちろん、そんなことを言ってられるのは自分の庭や畑ではないからという話。花数も種子数も多く、かなり殖える。

花の拡大、萼・花柄

コハコベ 花拡大 コハコベ 花の拡大 コハコベ 萼・花柄
(荒れ地ではともかく、通常は、)まだ伸びていない先端でさっさとかたまって蕾・花をつけ、結構賑やかになる。
花弁は5だが2深裂して10枚に見える。基部は平たい柄のようになり、緑味のあるやや半透明で異質。
それぞれの花弁の間は結構開いていて、自分のもう片片ではなく隣の花弁の片とやや重なって混み合っているミドリハコベとは雰囲気が少し異なる。
メシベの柱頭部は3裂し白い。オシベは3~5程度が多く、ミドリハコベより少ない。葯は渋い紫色。薄めだがはっきりした黄色の花粉をつける。
なお、傾向に過ぎないがミドリハコベの方の葯は渋い紫ではなく朱色で目立つ場合が多い。
オシベの基部には風船でできたじゃがいものような半透明の袋状の蜜腺があり、いつもはちきれそうになっている。
花弁は萼より若干短いが、開いている状態を正面から見てしまうと基部の位置の違いや角度の違い等から同程度に見えるので注意。
萼は開出毛が密生する。花柄には茎と同じ列毛がある。

コハコベ 花と蟻 蟻(クロヤマアリ。都会で普通に見られるつやのないあれ。蟻と言ったらこれというか。)もちょこちょこ蜜を得に来ている。

葉、茎と葉柄の様子

コハコベ 茎と葉 コハコベ 葉 コハコベ 葉柄・茎の毛
下部から中部では長めの葉柄があり、上部ではほぼ無柄。
卵形。縁が暗紫色になることも多い。主脈・側脈ははっきりしているものの全体にのっぺりしている。
茎には帯状に白い軟毛が密生する部分がある。この毛はやや縮毛気味部分もあるが、それほど極端ではなく全体にやや曲がっている程度。少し下向きになっている。
茎や花柄は基本的に緑味の全くない暗紫色になる場合が多いが、かなり環境に左右される。ミドリハコベにしても、緑色のものも多いが薄くは染まっているものは多く、色で区別してはいけない。

花後から果実・種子の様子

コハコベ 花後と果実 コハコベ 果実 コハコベ 種子 花後は強く花柄が屈曲して下を向き、果実(蒴果)が膨らみ始めると段々もう一度持ち上がり、最終的にはほぼ真上にピンと立つ。また、果柄がやや長くなる。
蒴果は先端が咲けてギアのようになり、種子を零す。
種子は扁平で円形に近い。一箇所へそ部周辺で尖り気味になりつつへそ部が湾入し、そこから逆側へは窪んで溝状に見える。同心円状に突起が並び、内周の突起は、裏表で模様に若干傾向がある。一面はシンプルな突起で、もう一面は星状の形が強くなっている。外周の突起は、ミドリハコベと比べ突起が低いと考える人もあるが大きさ自体は差がなく、結構はっきり目立って大きくなる。偏平で丸味のあるもので台形状から太身の三角状で、先端はあまり尖らない。突起は縁が盛り上がり内側が窪んでいる。

コハコベ ミドリハコベ オランダミミナグサ 種子比較 こちらは比較写真。左上がコハコベ、右上がミドリハコベ、下はそばに生えていたのでついでに掲載、オランダミミナグサ。

判断不能の個体

どちらか不明なハコベ 花 どちらか不明なハコベ 種子 さて困るのが、こういうもの。この個体の群落は、色も各部の大きさもコハコベらしく種子の突起もコハコベタイプ。
だがオシベが5本以上が普通で、7本あるのも多く見られ、ミドリハコベのようでもある。しかも花弁のバランス具合(萼とのではなく、花弁同士の近さ等)はミドリハコベに近い感じがある。雑種かもしれないし、いずれかの種類の変異なのかもしれない。肉眼では判断不能だろう。


花確認:
2007(F2)(F3)(F4)(F5)
2008(F2)(F3)(F4)
2009(F1)(F2)(F3)(F4)
2010(F2)(F3)
2011(F3)(F4)
2012(F3)
2013(F3)
実確認:
2009(C2)(C3)(C4)
2010(C3)
2011(C4)
2013(C3)

宮城県版のハコベ属
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