まつどとか
千葉北西部、
        くさのめも
      周辺ぷち植物誌。
© T. Codd

エビヅル

エビヅル 全景
ブドウ科 ブドウ属
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Vitis ficifolia Bunge

花は小さく、2.5mmから3mm程度。花序は3cmから4cm程度。つる性の木本で、よく蔓延る。茎は丈夫。茎や葉柄には軟毛が密生し、特に若い葉の表面に先端向けにべたっとまとわりついた毛は目立つ。
雌雄異株で、雄株の雄花はオシベが長く3mmから4mm程度。メシベは退化。雌株の雌花では、オシベはほぼ退化して非常に短い。
ノブドウと異なり可食。黒紫の小さなブドウのような果実の集合の「房」ができる。
エビとはブドウ類の古い総称的なものらしい。(ちなみにエビ色とは海老のような色ではなく、赤ワインのような赤紫のこと。)
forma(形態、品種)とされる、葉が深く特徴的に裂けたキクバエビヅルもある。記事下部に記載。

咲いている状態では花弁はないが、元からないわけではない。先端が合着して帽子のようになった花弁が、開花とともに取れ落ちる。(キクバエビヅルの欄に写真あり。)

全景と花序周辺の様子

エビヅル 全景 エビヅル 花序周辺 花序の枝は単葉と対生し、枝からは1から2本の花序を出す。

雄花と雌花

エビヅル 雄花 雄花のオシベは4mm程度。メシベは、少なくとも柱頭はない模様。

エビヅル 雌花花序 エビヅル 雌花 雌花のオシベは1mm程度。メシベはビール瓶をでっぷりさせたような形状。花柱から柱頭は色味がなく、また、半透明。

葉の様子

エビヅル 葉 エビヅル 葉 エビヅル 葉裏の毛 葉は互生し、3中裂し、大きな葉では側裂片が再度少し切れ込む。縁は弱い鋸歯がある。基部は強い心形。
裂片は先端こそ角になるが辺が湾曲して膨らんでいて卵形を構成し直線的でないので、初期から花期のヤマブドウのような直線的で切れ込まない五角形と異なり丸っこく見える。また、この時期には手のひらよりは小さいものが普通。
葉裏は白い毛に褐色の毛が混じってが密生しかなり毛深い。
互生する葉柄と花序の枝かつるが対生する。
葉は脈のしわが深くごわついた印象だが触ると質自体は柔らかい。

エビヅル 若い葉裏 エビヅル 古い葉裏 若い葉と古い葉の葉裏を拡大した様子を追加。どんどん橙系の褐色になっているのが分かる。(同じ枝の葉。)

受粉して膨らみ始めた子房

エビヅル 受粉後 エビヅル 染まり始め エビヅル やや熟した エビヅル 熟した
二枚目:2007年6月16日。日のあたる果実の日のあたる面が薄い赤紫に変わり始めている。大きさ6mmから7mm程度。
三枚目:2007年7月22日。よく稔っていた。
四枚目:2007年7月27日。完熟。赤みはなくなり、暗い青紫。
(※ファイルのURLが一部yamabudouとなっているのは気のせい(…。)なので気にしないこと。…。)
味は濃く、甘みはかすかにあるものの酸味がかなり強く、食べて五分程度すると…口の中が、梅干を食べたような酸っぱい感じになる。結構きつい。渋みもある。が、野の味が好きな私には美味しい。
一番近いのは…まだ全然熟していない巨峰の味あたりか?

果実の拡大

エビヅル 果実 拡大写真にも芸があると面白いかな、と普段の図鑑的な写真とはちょっと違う切り取り方で撮ったもの。
なお、表面の白っぽい粉は触ったり何かと擦れると取れてつやつやした本体が見えるようになる。
(写真は大きさが写らないので、こうして見ると巨峰とか大きな葡萄のようにも見えてしまう。)

追加分と、種子の様子

エビヅル 熟した果実 エビヅル 熟した果実 よく稔っている株を見つけた際にのみ、年に二回程度だけ、一粒つまんでみる。毎回、「あぁ、この酸っぱさ」、と思う。

エビヅル 種子 エビヅル 種子 それにしてもやはり山野・道端の植物。果実が7mm程度しかないのに二つのごろんとした大きな種子が入っていて、果肉部分は、それにまとわりつくじゅるじゅるした繊維状の薄い部分のみ。食べるところはほとんどない。が、味がかなり濃いので、数粒食べると落ち着いてよい感じになるだろう。(多分水が欲しくなるが。)

エビヅル 種子表 エビヅル 種子裏 種子は黒紫褐色。独特の形状で、傾きのある倒卵体を二つに割ったような形状で、合わさる面では一本のシンプルなスリットがあり、外側には裏から先端側(太い側)を通ってつながっているスリットが倒卵形に広がっている。それより基部に向けては鈍く薄いスリットがあるようなないような状態で続いてはいる。二つの種子はお互いに鏡のように写し身状で対象になっている。
この中も含め種子はでこぼこしている。また、この部分の周囲はそこに向かって筋状のしわ模様になっている。


キクバエビヅル

キクバエビヅル 全景
Vitis ficifolia Bunge f. sinuata (Regel) Murata

ノブドウに対するキレハノブドウと同じように、面白い裂け方をする葉の個体が形態(品種)のひとつとしてあり、裂ける際のくびれ方等の特徴もキレハノブドウと同じようになっている。中央の裂片の中ほどが急にぷっくり円形に膨らむ点も同じ。ただし裂片はノブドウの方のキレハノブドウと比べるとかなりでっぷりしている。

全景と花(雄株の雄花)の様子

キクバエビヅル 全景 キクバエビヅル 花 キクバエビヅル 花弁
花の写真の右下にあるたこさんウィンナーみたいなものは脱落してひっくり返っている花弁。

葉の様子

キクバエビヅル 葉 キクバエビヅル 葉裏 面白い裂け方で、見つけると何だかうれしい。

果実期の全景

エビヅル キクバエビヅルの果実期全景 果実は味も見た目もキクバではない方のものと同じ。…。
放置されている場所では結構盛大に繁茂する。(※キクバエビヅルに限ったことではなく。)


花確認:
2007(F5)(F6)(F7)(F8)(F9)
2008(F6)
2009(F7)(F8)(F9)
2010(F9)
実確認:
2007(C6)(C7)(C8)(C9)(C10)(C11)
2008(C7)(C8)(C9)
2009(C8)(C9)(C10)
2010(C10)

宮城県版のブドウ属
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