まつどとか
千葉北西部、
        くさのめも
      周辺ぷち植物誌。
© T. Codd

和種薄荷内ヨウシュハッカ寄り※

和種ハッカ内 全景
シソ科 ハッカ属
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おそらく 旧「Mentha arvensis L.内 var. piperascens以外のもの」等

※和種ハッカ(Mentha arvensis L.)内の何かかそれの関わる交雑種と思われる。
var. piperascens(今は「=M. canadensis」として別種とされる)以外を区別する方法や、交雑種を区別する方法が分からず、現状、これ以上の同定不能。

花径は3.5mm程度、草丈は40cmから50cm程度。
花壇やお店や、都会の路上等の逸出で見る他の移入ハッカ類の多くのようなしわしわの葉とは質感が明らかに違い、かなりシンプル。つやもあまりない。
主脈と、シンプルでまばらな側脈が目立つだけで、細脈は見えない上まで大きな葉の腋毎に地味な偽輪性状の花が段々につき、穂のようにはならず、草むらではまったく目立たない。

小さな川のそばのやや古い植生が混じるままの草むらを通る、うち捨てられた小道(幅1mちょっと)脇にいくらか生えていた。

主茎は上部ではある程度直立。ところどころ分枝してよく開出している。下部はどうもよく這っている感じだが、ほとんどは地中と思われる。

花色はかなり薄いため印象基準で白としてあるが、薄い紫色から桃色にところどころは染まっている。特に蕾では桃色味がよく分かる。

同定に関して
●ハッカはほとんどの場合観賞用の植物ではなく「成分を使用するか葉を食用にする作物」なので、いくつもある作出されたそれぞれの品種は各個にそれほど個性的な姿をするわけでもなく、種類も異様に多く、かつ、近代以前から栽培され長い品種改良という経過も経ていて多くの「日本の園芸品種」も系統図を見ると実際には外来のものとの種間交配による雑種。
見た目はお互いに変異するので、その辺に逸出して生えているものや園芸店等で購入したものの同定はほとんど不可能と思われる
農作物の世界では種間雑種が当たり前なので、まぁどうしようもない。農水等での登録上作物名「ハッカ」の作物も、種間雑種ばかり。
(加えて、私の知識と能力の低さ…。)

●ハッカ類は、精油成分による分類では大別で「和種薄荷・洋種薄荷・緑薄荷に分かれるようで、
和種薄荷は「Japanesemint」、洋種薄荷は「Peppermint」、緑薄荷は「Spearmint」と呼ばれる模様。
ニホンハッカを含む旧「Mentha arvensis」(※現在、ニホンハッカがM. arvensis内ではなくM. canadensisとされるため。)は和種薄荷で、その中には帰化植物として扱われているものもあり、基本種Mentha arvensis L. subsp. arvensisに対してはヨウシュハッカと和名があてられている。
成分的な三分類で言う「洋種薄荷」(Peppermint類)とたまたま字が同じだがそれとは異なる

●この写真のものは、各部の印象もそれらしく見え、かつ葉を揉んで吸うと咳き込むほどの強烈な匂いがあったため、おそらく和種薄荷内の何かか、それと何かの交配起源の栽培種が野生化しているものと思われる。
(周辺の昔一旦拓けたと思われる荒地は大抵、千葉県という土地もありかつては耕作地のようで、まぁ作物かお遊びで育てたものだろう。元からの自生種ではないと思われる。)
(ニホン)ハッカ(var. piperascens=M. canadensis)と、「ヨウシュハッカを含む他のarvensis内のもの」とを区別するには、萼の裂片の形状と長さを見る必要がある。
ニホンハッカは、細く鋭く長くなっていて筒部の1/2程度の長さと随分長い。それに対して、国外の各変種では、形状は広く短く正三角形程度、実際の長さも筒部に対してかなり短く筒部の1/4から1/3程度。明らかに短く、ぱっと見の印象がおとなしい感じでかなり異なる。
この記事のものは萼からしても、「arvensisの中でニホンハッカ(var. piperascens)以外のもの」(※旧M. arvensisからニホンハッカを除いたもの=現M. arvensis内のどれか)、の可能性は高いが、それそのものと交配種とを区別する方法は分からずこれ以上は進めない。(どのみち移入もの。)
●それにしても…北米のもの(元M. arvensis var. canadensis、現M. canadensis)と日本のもの(元M. arvensis var. piperascens、現Mentha canadensis var. piperascens)が同じ種内というのは、古い論文(1966)でも染色体の構造的変異がないとされていたので分かるといえば分かるのだが…ではそれらがM. arvensisとは分けて後から別種として確立されるほどの違いがあるのであれば、何が違うか知りたかったりする。が、今のところ私には論文を見つけられない。まぁ、あっても外見の差異は無関係かもしれない。…。
eFloras.orgに両方載っていれば分かりやすいのだが、残念ながらM. canadensisのみでM. arvensisがないため、比べられない。
全草の様子
ハッカ類 全草 直立性が割と強く、緑も強めなせいか、わりと雄々しいというか、野性味はある。多少。

花序と花の拡大
ハッカ類 花序 ハッカ類 花序 ハッカ類 花
長い穂状ではなく対生する各葉腋に大量の花をつけ、節毎の輪生状。横からよく見ると小花柄(2.5mm程度)と同程度かやや短い花柄(2mm程度)もちゃんとあり、30度くらいに上向き。
これのせいで、各花がかなり上向きに咲いて萼を隠すので、 あまり顕著な白いドーナツ(萼が緑なので萼が目立てば穴部に見える。)になっていない。
対生の葉腋なのでふたつの1/4球が合わさって半球状。
花冠は4裂して、上の片だけが浅めだが顕著に更に2裂する。
メシベは目立って突き出しているが、 4本のオシベは、先端が花冠の平開部分すれすれのところでとどまっている
たまたまこの写真が、というわけではなく、どのステージの花もこうなっているので、伸びていないだけではなくこういう特徴を持つ種の模様
この個体の品種を特定するのに大きな特徴になるかもしれない。
萼の様子
ハッカ類 萼 ハッカ類 萼 ハッカ類 萼
縁にはまっすぐ気味の、面には鉤状で前方に伏した、軟毛が生えている。
また、腺点があり、斜めに光にかざしたりすると黄色く光る。
裂片は正三角形状で太く短い。50度?60度程度で筒部の1/3程度
※右は参考用に、ハッカとして同定されているのものの萼。細く30度程度で、筒部の1/2程度と長い。
葉の様子
ハッカ類 葉 ハッカ類 葉 葉はやや卵状になった長楕円形か。ほとんど無柄。基部は少し丸い。
葉の表面には白い鉤状の短毛が前方に伏して散生するが、あまり目立たず、むしろ葉面は微かに鈍めなつやがある感じ。しわしわにもなっておらず野草といった趣き。
鋸歯は先端がやや外向きになっていて鋭いものの低い。
5から7程度で間隔が空いている。

葉の表と裏の拡大(表2枚・裏1枚)
ハッカ類 葉表拡大 ハッカ類 葉表拡大 ハッカ類 葉裏拡大
腺点を写そうかととりあえず拡大してみたら、ちょっとやりすぎた。
腺点は目立つ。
茎の様子
ハッカ類 茎 茎はやや褐色気味の黄緑で汚い色なのが目立つ。また、ところどころ、小さな点状にまだらに赤紫にも染まっている。
稜には下向きに鉤状になった白い短い軟毛がやや密だが、ルーペで寄ってみてそう思うもので、毛深さはない。特に面にはかなりまばら。
節には環状に多めに生える。
全草、毛が目立つ感じではない。
ただし、かなり上方の若い部分では毛は多め。


花確認:
2007(F8)(F9)
2008(F8)(F9)

宮城県版のハッカ属
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