まつどとか
千葉北西部、
        くさのめも
      周辺ぷち植物誌。
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カラスノゴマ

カラスノゴマ トップ
アオイ科シナノキ亜科
カラスノゴマ属
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Corchoropsis tomentosa (Thunb.) Makino

(2010/11/06:ほぼ全面改訂のため登録日時を変更。)
花は径7mmから9mm程度、草丈は20cmから40cm程度。弓のように斜めに伸びたりきれいに立っていたり、やや這って先だけ立っていたり様々。
あまり枝だらけの印象はなくどちらかというと一本で立っているイメージだが、下部ではそれなりに分枝する。
急に垂れた面白い葉のせいで、シルエットがやや独特。花は横かやや俯いて咲くので普通の位置からでは撮りづらい。また、せっかく撮れても全景写真に花の顔が映らない個体も多い。横を向いて咲いているか株が大きい場合、ラッキーと思うほかない。
全草が白い難毛だらけなので、肉眼はともかくフラッシュ撮影では注意が必要。
果実期には全体が紅葉。
茎は花期にも日に当たった部分が赤紫褐色で、きれいな黄色い花としっかりした緑の葉とのバランスを見るとよい色合い。

全景の様子

カラスノゴマ 全景 旧記事のよくない写真なのでこれよりもトップ画像を参照…。

花の様子

カラスノゴマ 花 カラスノゴマ 花 花柄はかなり長く、ぴんと真っ直ぐで斜上する。
花弁形状はきれいなヘラのようなものから扇風機の羽のようなもの、曲がった台形のもの、細いものから太いものまである。先の方が太いのが基本。
最も整ったものでは、5枚がきれいに揃って扇風機というか巴模様というか方向性がある。
花弁の外側には白い毛が少し生えているがほとんど分からない。
山吹色とは異なる赤味のない黄色。かといってレモンイエローではない。まさに児童用の絵の具セットの「きいろ」に近い。
萼は細い三角形で先端付近で一旦強めに細まった後少し摘んだように伸びている。長さは花弁の2/3近辺。外側は斜上毛が密生。

カラスノゴマ 花の拡大 カラスノゴマ 花の拡大 長い仮オシベ5本程度と短い本オシベ5本から10本程度がある。
【機能するオシベ】
葯のある本オシベは外で少し斜上している。
長さはややまちまちだが短め。子房の頂点位置まで届かないのから葯一個分追い越しているものまである。
花糸が葯の手前あたりともう一箇所くらいでくねっと急に曲がってやや内向きになっている。花糸をよく見ると二段構えになっていて、下部は太くなっていて黄から黄緑。これの中部か上部でやや曲がる。この先に白く円錐を摘まんで引っ張ったような細めの二段目があり、これの途中でもう一回曲がっている。
花糸基部下には透明の蜜が玉になって花弁との間に溜まっている。
花粉は黄色で丸っこい。
【仮オシベ】
仮オシベは長く、柱頭の先端よりも伸びて形状はヘラのようで、前方へかなり立っている。先はやや丸い。
先端付近で急にメシベ側に曲がっているため、全体を緩く覆うようになる。
この花糸の外側には短い白い軟毛が斜上して密生していてしかも仮オシベが本オシベより内側になっていることで、仮オシベの外面は短い本オシベの葯とすれてついた花粉だらけになっている。
これにより来た虫のそこら中に花粉がつくのだろう。
仮オシベは花弁の位置ではなく花弁と隣の花弁との間に位置する。

カラスノゴマ 花 柱頭 【メシベ】
子房は薄めの緑で円筒形、少し曲がっている程度でほとんど真っ直ぐ。屈曲して上向きの白い軟毛が目立つ。
柱頭は狭卵体で湾曲、縦に筋状(畝状)になっている。色が子房部より薄い。薄い灰黄緑。間にわずかに花柱部分があるがほとんど見えない。

葉と茎の様子

カラスノゴマ 葉 カラスノゴマ カラスノゴマ 紅葉した葉 葉は雫のような卵形で基部が円形から極浅心形。
バランス上かなり長い葉柄を水平より少し上に出し、葉身の基部で急に折れて盾のようになっている。なお、「折れて」というと曲がっているような表現になってしまうが実際には葉柄自体が裏側についているため。
縁はやや丸く持ち上がり、完全に丸まって裏面ばかりが見えている葉もある。かなりの広卵形の鋸歯が多数ありぎざぎざが目立つ。サイズバランスはひとつひとつがわりとバラバラでちょっとがたがたに見える。
基部で5脈出た後は通常の羽状脈。主脈・側脈だけでなく側脈をつなぐアミダくじのような細脈も結構彫りが深く、目立つ。脈の間はややぽこぽこ立体的に表に膨らんでいる。
裏はかなり密に軟毛が生える。
晩秋にはかなり鮮やかに紅葉し、紫味のない赤で美しい。

カラスノゴマ 茎 毛だらけで暑苦しい。やや曲がった軟毛で、長短色々。白いので、フラッシュで光りまくる。注意。

果実期全景と果実・種子の拡大

カラスノゴマ 果実期の赤い全草 カラスノゴマ 果実 カラスノゴマ 種子 果実のなっている時期には全草が赤くなりきれい。それと分かって見ていれば花期と比べ格段に目立つのだが、実際には赤は枯れた草薮の中ではそれほど目立たない色合い。
果実は1.5cmから2cm程度の長い柄に、5萼を残して横に開出して、先端がやや湾曲斜上する。長さ3.5cmから4cm程度。
熟す前というかまだ小さい果実の表面の質感はちょっと気持ち悪い。
表面には白い星状毛がある。
種子の形にぽこぽこくびれたり膨らんだりで、豆のよう。きれいに割けて種子が出る。
種子はやや扁平な卵形で明るい茶色、平らな面と稜状に丸い角のある膨らんだ側があり、一見横縞模様の短いひび割れ状の窪みがいくつもある。平らな側では一筋が短く詰まっているためか、ずれの段々が目立つ。膨らんだ側ではほとんど単なる横縞に見える。


花確認:
2007(F11)
2010(F10)(F11)
2011(F9)
実確認:
2007(C11)(C12)

宮城県版のカラスノゴマ属
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