まつどとか
千葉北西部、
        くさのめも
      周辺ぷち植物誌。
© T. Codd

テリミノイヌホオズキ (標準的な環境のもの)

テリミノイヌホオズキ (標準的な環境のもの) 全景
ナス科
ナス属イヌホオズキ類
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Solanum americanum Mill.

このドキュメントのものは青々とした草地で栄養状態のよい株での典型的な姿

姿(状態)としては荒れ地に生育するものと全く異なるのだが、この種の場合は変異(遺伝的に形質が変化している)というより外的要因から受ける影響に合わせた生育の姿(状態)である例が多いように思われる。実際このドキュメントのものの一部は、元々極端な乾燥荒れ地だったところがとあるお店ができてその植え込みの草地と化した場所で、水・栄養状態が大幅に変化した結果、混生するイヌホオズキやその他の植物とともに大型化し瑞々しくしっとりした横に広くなる典型姿に変化した。
荒れ地での状態と違い花は7mmから8mm程度ある(中に小さな花も混じるが。)。テリミノイヌホオズキの花は小さいとされるのが普通だが、実際のところイヌホオズキ類は花サイズがころころ変わる。生育環境がよいとテリミノイヌホオズキでも1cmを超えるものは珍しくはない。草姿は、高さにして40cmから60cm程度だが横への広がりが大きく、一株で1m以上の塊になっているものも多い。分枝が多いため葉数も花序数も多く、より一層茂って見える。(基部自体はほぼ直立するものの、よく枝を分け横に広げている。)

※この図鑑では基本的に同じ種に関しては別ドキュメントを設けないが、個人的にこの種は好きだったりするので敢えて別の姿のものを見つけたら別ドキュメントにしようと考えている。ということで、この図鑑にはテリミノイヌホオズキがいくつかあるのでそちらを参照。…。
このドキュメントのものは、「標準的な環境に生える、ある意味では本来の姿のテリミノイヌホオズキ」。(ある意味とは、どうもエリアでは荒れ地での生育を見ることが多いため、そちらで無理して生育している姿の方がむしろ一般的と思えるため。)

テリミノイヌホオズキの集約ページ本体は→テリミノイヌホオズキ

全景の様子

テリミノイヌホオズキ (標準的な環境のもの) 全景 テリミノイヌホオズキ (標準的な環境のもの) 全景
環境で草姿が極端にころころ変わるので「え?」と思うこともしばしば。それがまた面白い。なんにしろテリミノイヌホオズキの実の形とつやと萼のぷりっとした形を見るだけで何だか落ち着く。
テリミノイヌホオズキ (標準的な環境のもの) 全景 テリミノイヌホオズキ (標準的な環境のもの) 全景 テリミノイヌホオズキ (標準的な環境のもの) 全景
テリミノイヌホオズキ (標準的な環境のもの) 全景 余談)特定の構造・リズムで枝・葉・花序が出るようになっているため、別の場所を撮っても花が前に来るようにして葉もきれいに入れようとするとほぼ同じ姿になる。これまで撮りためたストックを見ても同じような勢いのものはみんなまるでクローンのようで、何だか面白い。二段目の三枚はみな別の部分の写真。

花・花序・蕾の様子

テリミノイヌホオズキ (標準的な環境のもの) 花 テリミノイヌホオズキ (標準的な環境のもの) 花の経過 このドキュメントのものは大きな花も多く、まるでイヌホオズキのように見えるものも。(元は荒れ地だったため小さな花だったのだが。)
大型の花冠でも小型の花冠でも、この種類の場合葯部分の長さは1mmから1.2mm程度に収まっている模様。小さい。
右は蕾から平開までの経過を示したもの(貼り付け順を誤ったため下から…。)。咲き始めに花柱が長く飛び出していて段々オシベの方も花糸が伸びることで追いつくという経過を辿る。また、最後まで花柱がかなり長い長花柱花も中にはあるが、まぁたまにレベル。

葉と茎の様子

テリミノイヌホオズキ (標準的な環境のもの) 葉 テリミノイヌホオズキ (標準的な環境のもの) 葉 テリミノイヌホオズキ (標準的な環境のもの) 葉 テリミノイヌホオズキ (標準的な環境のもの) 若い葉裏
テリミノイヌホオズキ (標準的な環境のもの) 若い葉裏 テリミノイヌホオズキ (標準的な環境のもの) 葉裏 水も栄養も状態のよい草地では十分に光合成できるためか葉は広く丸みを帯びてくる。更に下部の葉は異様に大きくなり、10cm程度あるものも見られる。卵形で若い葉はやや狭卵形、基部は一旦やや角を持った円形(角丸四角状の)にしっかり膨らみ左右はほとんどの場合不整、その後方では長く翼状に葉柄と同一化。葉の縁はやや波状だがかなり全縁に近い。色が濃く元気で葉質が厚く見えるが、実際には薄く柔らかい。
表から見ると脈は赤紫褐色等に染まるが裏から見ると若い葉でも脈を含め染まらないで明るい白緑が普通。なお、表よりは鈍いつやがある。また、裏面には若いほど多いが白い短軟毛が脈を中心に結構生えている(量は個体差がかなりある。)。

テリミノイヌホオズキ (標準的な環境のもの) 茎 茎にははっきりした稜があり、稜上にC字状で茎に帰る毛が点々とある。またところどころで大きくなり、棘状のばりのようになる。

果実

テリミノイヌホオズキ (標準的な環境のもの) 果実 テリミノイヌホオズキ (標準的な環境のもの) 果実 テリミノイヌホオズキ (標準的な環境のもの) 若い果実 テリミノイヌホオズキ (標準的な環境のもの) 若い果実
テリミノイヌホオズキ (標準的な環境のもの) 果実 テリミノイヌホオズキ (標準的な環境のもの) 果実 一応散状に近い感じにつく。よく見れば総状が詰まっているのが分かるが、間の軸はほぼゼロ。若い状態では軽いので左右に分かれてムカデ状、その後くねくねなりながら先端付近が下に倒れ果実同士がややまとまる。若い果実には白い斑点が顕著、大きくなった果実の形状は横に長いため角丸直方体状で、球状ではない。
果実期の萼は子房が少し膨らみ始めた段階で反り返り、果実が本来の大きさになった頃にはぷりっとして見える

果実追記

テリミノイヌホオズキ (標準的な環境のもの) 果実 テリミノイヌホオズキ (標準的な環境のもの) 果実 テリミノイヌホオズキ (標準的な環境のもの) 果実
テリミノイヌホオズキ (標準的な環境のもの) 果実 テリミノイヌホオズキ (標準的な環境のもの) 果実 テリミノイヌホオズキ (標準的な環境のもの) 果実
テリミノイヌホオズキ (標準的な環境のもの) 果実 テリミノイヌホオズキ (標準的な環境のもの) 果実・種子・球状顆粒 テリミノイヌホオズキ (標準的な環境のもの) 種子
グラフ用紙に乗せて撮ったものでよく分かると思うが、果実は球形ではなく、赤道断面が陸上トラック形になるよう縦の絞りがあり、若い時期は特にその部分の色が最も薄い。ちなみにこのラインでカットするときれいに拡大断面図の写真のように放射して配置する種子が見られるようになる。
よく膨らんでいるがまだ若い果実の表面には細かな白っぽい斑点が出る。
果実は3から6が普通で5が最も多い印象。
花後に小花柄が基部から一旦持ち上がっていき、その後中心部は水平くらいに持ち上がったままで強く湾曲して先の方が下がりごろんとした果実をぶら下げるようになる。このため全体があっさり垂れる種類と比べて果序が横に広くなる。
(イヌホオズキ類の果序は花柄の先端で1か2がやや下につきそれ以外は上面寄りにつく下にカールした特殊なつまった総状の構造でみな共通だが、)テリミノイヌホオズキやアメリカイヌホオズキでは軸部(花柄)が全くと言えるほど伸びないため数が少ないと散状に見える。また、最下側のものも離れてつくことは滅多にない(=まれにある)。
果実期の萼がぷりっと極端に強く反って小花柄にまでつくのが大きな特徴で、果実形状とこの萼形態で一瞬にしてこれと分かる。萼のある部分で果実部は窪んでいて、その点でも球でない。果実は小花柄から離れて落ちる場合が多い。
光沢は強いが、皮と同時に中が早く熟すためすぐ張りがなくなって微細な皺が出てつやが早く去る

種子は1.2mm程度で果皮付近には球状顆粒が見られるが数は少なく、1から3程度、まれに5見られる。(※写真では三角にマークしたものが球状顆粒。それ以外にも小さい粒が何個か写っているが、かすが集まって濃くなったもの等、別のもの。)

熟した果実の様子

テリミノイヌホオズキ (標準的な環境のもの) 果実 テリミノイヌホオズキ (標準的な環境のもの) 果実 テリミノイヌホオズキ (標準的な環境のもの) 果実
テリミノイヌホオズキ (標準的な環境のもの) 果実 草地では、表面が微細に萎びすぐにマットになる荒れ地での状態とは異なりしばらくつやの強い時期が続き萼もすぐには傷まないので分かりやすい。
(花が大きく派手な植物の場合は撮影中に通りがかった人も私に声をかけてすぐ寄ってくるわけだが、これを撮っていても誰も寄ってはこない。こんなに美しい実とは思いもよらないだろう。)


花確認:
2007(F12)
2009(F10)(F11)(F12)
実確認:
2007(C12)
2008(C1)
2009(C10)(C11)(C12)

宮城県版のナス属
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