まつどとか
千葉北西部、
        くさのめも
      周辺ぷち植物誌。
© T. Codd

ツルカノコソウ

ツルカノコソウ 全景
スイカズラ科 カノコソウ属
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Valeriana flaccidissima Maxim.

(慣れ親しんだ科からこんな科へ…。APGⅢおそるべし。)

花は2.5mmから3mm程度と小さい、草丈は40cmから50cm程度。写真の個体はまだ開花最初期なので80cm以上にはなると思われる。
ややじめじめした日陰気味の林そばにて。
主1と従(副)2の3方へ分かれる花序が何となくかっこいいなとか思う。
花色は一応最盛期の印象で白に分類したが、蕾は桃色オシベもメシベも白なので全て開花してしまうと日陰でかなり地味になる。
根元で大量につる状の枝を伸ばして新たな株を作り殖える

開花初期の状態

ツルカノコソウ 全景 開花初期はピンクの蕾とずんぐりした茎が面白い。
最盛期にはだいぶ姿が変わる。(トップ写真。地味になるがすらっとかっこよくはなる。)
不恰好で妙な雰囲気のア ブ ラ ナ 科のように見えなくもない。

花序、花と蕾

ツルカノコソウ 花 ツルカノコソウ 花 ツルカノコソウ 花
花茎がとりあえず7、8cm程度あがって緑の蕾に桃色が混じり始めた頃に見つけ、ちょうど一週間でこの状態に。最初期ということで花序がくっついてまとまっていて、雰囲気がやや華やか。(蕾の桃色がある点も相まって。)
開花した花には多少の桃は乗るものもあるがほとんど真っ白。
オシベは3本で丸っこい葯に白い花粉がついている。メシベ柱頭は3本に分かれる。こちらもやはり白い。
花期には多数密着していてほとんど分からないだろうが、子房下位で、花柄は「柄」といえる状態ではなく子房と花序軸との間に挟んだ接着剤の塊程度の雰囲気。

葉と茎の様子

ツルカノコソウ 下部・中部の葉 ツルカノコソウ 上部の葉 ツルカノコソウ 茎の拡大 葉質・茎質はかなり柔らかく瑞々しい
対生する。
葉柄は長く、上面が窪んでというか折れてV字状。基部は急に太くなり茎と同じ太さになっているため、対生の対の葉の葉柄と左右が接している。
下部から中部の葉と、上部の葉では、どちらも羽状全裂するがだいぶ形態が異なる。
裂片は下部から中部では卵形から広卵形で基部がくさび形。各裂片では、基部から複数主脈が伸びる。
先端はやや円頭というか鈍い
縁は弱く丸っこい鋸歯で、波状に近い
小葉のような裂片はすべてこのようなきれいに整ったサイズバランスではなく、ところどころで5mm程度の小さなものもつける。
上部では裂片は披針形に近く、鋸歯もやや「鋸歯」然としている。
葉の表面及び茎にはルーペレベルでは毛が確認できるが、肉眼ではほとんど目立たない。

つるの様子

ツルカノコソウ 匍匐枝 ツルカノコソウ 匍匐枝拡大 ツルカノコソウ 子株の匍匐枝(ほぼ幼生株)
ツルカノコソウ 匍匐枝の発根部位 長い柄を持つ基部円形の卵形の対生葉をつけるつる状の枝を大量に伸ばしている。
図鑑等では花後に伸ばすとあるものが多いようだが、実際には、花茎の状態には関わらず、数枚まともな葉を展開して根を張れれば早々に出している模様
栄養状態その他色々と要因があるのだろうが。
画像では小さくてわからないと思うが、右側が元株ではなく、左上から大株のつるとして伸びてきていて、右は最先端。
つる状の這う茎の途中にかなり間隔を置いて対生葉をつけていてその節が長時間接地すると先端でなくても発根している。

果実の様子

ツルカノコソウ 果実 黒バックで撮影すると圧倒的に美しいひとつの世界を感じさせる。
果実には美しく整った冠毛がつく。軸のない放射した各毛に羽状の細毛があり、結構目立つ。にぎやかで楽しい。
この花は、最盛期より咲き始めとこの時期が変化を楽しめていい雰囲気だと思う。
放射している中心部は膜状につながっているのがまた面白い。この部分は緑。
展開前のものと一緒にあるので見比べてみると面白い。花冠のある時には内側に巻き込んでいて、段々ずるずると出て行く模様。展開前のものは特に妙な形状で興味深い。出掛かりは一枚目の引いた画像でいくつか見られるアクリル綿の塊のようなくしゃくしゃ状態のもの。絡まらずに展開するのが驚異的で生物の持つ収納機構の緻密さと高効率さに驚かされる。
果実は黄色っぽく下膨れ。

ツルカノコソウ 果実上から ツルカノコソウ 果実横から ツルカノコソウ 果実横から

花確認:
2008(F4)(F5)
2011(F5)
2014(F4)
実確認:
2008(C5)

宮城県版のカノコソウ属
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