まつどとか
千葉北西部、
        くさのめも
      周辺ぷち植物誌。
© T. Codd

タチイヌノフグリ

タチイヌノフグリ トップ
オオバコ科クワガタソウ連
クワガタソウ属
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Veronica arvensis L.

花は幅3mmから4mm程度、花期の草丈は4cmから10cm程度が多いが、時に花期にも30cm程度になるものが中にはある。まぁ基本的には低い場合が多い。
完全に果実期になっていると30cmは普通で、よく50cm以上になる。
基部ではわりといくつも分枝しているが上部ではほとんど分枝しない。他の仲間と比べ地を這う部分が少なく、全体が直立しているかくねくねと曲がりつつも横にはならないでとりあえず上に向かっている個体が多い。
冬から早春にかけても暖かければ多少は咲く。草地ではない場合寒い時期には藤色の花がつきやすいが、生育を追っていくと、暖かくなると同じ株の花が青花に戻る。なお、青い花も終わりかけると藤色になる場合がある(※散るまで青いままの場合もある)ので注意が必要。
全体に腺毛が密生し、拡大してみるとちょっと気持ち悪い…。まぁ見慣れると毛の先の玉がかわいらしくもある。

年中時期がばらけて見られるオオイヌノフグリと異なり、春暖かくなってから伸び始め花をつけ晩春には枯れていくサイクルをわりと守り場所や個体で時期がそんなにばらけない
花の色には、
  • 通常見られる濃い青色  ・ 
  • 青色個体が時期により色変わりしている藤色  ・ 
  • 青味の全くない桃色  ・ 
  • 白色  ・ 
の個体や状態(時期等)があり、プチ図鑑の中では遠方なとあるエリア内では全て混生していて、花色以外にもちゃんと違いがあって雰囲気が異なり面白い。

全景と花の拡大

タチイヌノフグリ 全景・花 タチイヌノフグリ 全景 右は、栄養状態の良い青々とした草地にある、きわめてよく育った群落の個体。道端の草というよりも「野草」といった雰囲気になっている。この姿はそう頻繁には見られない。まるで別種。
普段多く見られるのは、路面間や空き地の隅、道路脇の植え込み部、等の左の姿。庭の芝生に生えてきても大抵この姿。

花の様子

タチイヌノフグリ 花 タチイヌノフグリ 花拡大 花冠は4深裂する。下の裂片は長楕円と他より細長く、ひとまわり小さめ。他の裂片は同程度で(実はよく見ると)倒卵形、上の裂片は詰まった花序の都合で上の段の苞葉等に邪魔されて開ききっていない場合が多い。
塗り分けがくっきりしている。中央部は白く、最奥は黄緑色で毛がある。また、蜜がたまっている。青と白の境界は赤紫でリング状になっている。
大きい裂片には5本程度、下の小さい裂片には3本程度の脈が見える。
子房は縦に「ひょうたん形」になって配置されている。2本あるオシベはあまり開かずにほとんど前に突き出るだけで、オオイヌノフグリとは少し雰囲気が異なる。
花糸も葯も花粉も白い。葯の袋が白なので萎んだら茶色くなる。(オオイヌノフグリは藍色・群青色の濃い青系なので萎んだら更に濃くなるだけで、茶色くならない。)
左は正方形に近い、かなりバランスのよいもの。基本的には右のように横に長い菱形のものが多い。裂片同士がやや重なることと裂片の左右が持ち上がってややカールしていることから裂片同士が連続しているようでひとつの菱形に見える場合が多い

5裂の花

タチイヌノフグリ 5裂した花冠 花冠が5裂したもの。かなり多く見られる。オオイヌノフグリではそれほど多くないのだが。何かこの種特有の原因があるのかもしれない。
なお、この花は藤色で咲いたものではなく単にそろそろ終わる花なので注意。

葉と茎の様子

タチイヌノフグリ 葉 タチイヌノフグリとオオイヌノフグリの葉
下部から中部まではオオイヌノフグリ等と似た卵形から長卵形で鋸歯の顕著な葉が付き、上部では細く鋸歯もないものが多く混じる。
下部で対生している卵形のものが葉で、上で互生している細いものは苞葉だと思われる
なお、鋸歯はオオイヌノフグリのように普通に三角状の荒い形ではなく、基部付近と先端付近を丸角とする角丸四角状で少し面白い。
葉脈は基部付近でかたまって放射状に前に伸びている3から5脈が深く目立つ。
タチイヌノフグリ 茎 長い開出軟毛がやや密生、更に短い微毛が密生していて、かなり毛深い。

果実・種子の様子

タチイヌノフグリ 果実 タチイヌノフグリ 果実の拡大 タチイヌノフグリ 果実 タチイヌノフグリ 果実・種子
偏平な倒卵形が二つ合わさったようなハートに近い形。偏平な方向に合わせ目があって裂開する。合わせ縁に開出毛が多い。この時期には萼がかなり大きくなっている。
種子は随分少ない。

果実期の間延びした個体

タチイヌノフグリ これは極端な例ではなく、果実期まで触らずに保たれる場所ではこれで普通
こうなるとはっきり言って花期の面影はなく、見慣れていないと何だか分からないかもしれない。

色のバリエーション

以下は同じ場所で育っているもの。すべて同日、同じ草むらにて撮影した。
タチイヌノフグリ 青花の全景 タチイヌノフグリ 青色の花 かなりはっきりと深い青で、紫味がない。茎は赤紫褐色でたまに明るい黄緑のものも見られる。葉先・萼片先等は赤紫褐色に少し染まるが、染まらない個体も結構ある。

タチイヌノフグリ 桃花の全景 タチイヌノフグリ 桃色の花 かなりはっきりとしたピンクで、ほぼ紫味がない。色の都合で、リング状の染まりが目立つ。茎ははっきりとした赤紫褐色葉先・萼片先等は赤紫褐色に染まる。
青と比べて染まりが極端に強いわけではない。夏咲いてもこの色

タチイヌノフグリ 白花の全景 タチイヌノフグリ 白色の花 …このサイズでこの色で線形の苞葉で直立しているというとムシクサが浮かんでしまうがタチイヌノフグリなので注意。
花色が白いことだけでなく、葉先や茎等には一切紫系の色素が入っていない、きわめてシンプルな配色。緑のみ。かなり印象が異なる。

タチイヌノフグリ 藤花の全景 タチイヌノフグリ 藤色の花 青タイプの中の個体で寒さにやや弱い個体なのだろうと思われる、暖かくなるまでは藤色で、段々青花をつける。4色のものを並べて分かる通り、葉色等もアントシアニン系の色素が全体に多く先の染まりだけではなく全体が若草色で、最もはっきり染まる。
これをもってピンクピンクと言う人もいるので、実際どちらなのか会話では困る。

桃花と藤花・桃花の拡大追加

タチイヌノフグリ 桃花の全景 タチイヌノフグリ 藤花の全景 桃花の個体と、藤色になっている青個体と見られるもの。右後ろにぼけて写っている青い花の個体と比べると藤色のものは全体の色がかなり異なる。

更におまけ。
タチイヌノフグリ 桃色の花 タチイヌノフグリ 桃色の花 きれいなので桃花を更に並べておく。


花確認:
2006(F4)(F5)
2007(F3)(F4)(F5)
2008(F3)(F4)(F5)
2010(F4)
2011(F3)(F4)
2013(F3)
実確認:
2006(C5)
2007(C4)(C5)
2008(C4)(C5)
2010(C5)
2011(C4)

宮城県版のクワガタソウ属
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