まつどとか
千葉北西部、
        くさのめも
      周辺ぷち植物誌。
© T. Codd

オオイヌタデ内 ※

オオイヌタデ内 トップ
タデ科 イヌタデ属
123456789101112

Persicaria lapathifolia (L.) Delarbre の何か

花は径1.6mmから2mm程度、草丈は20cmから35cm程度。
花つきを含め全体のシルエットはイヌタデを大きくした感じでわりとスマート。
花序は咲き始めというかよく咲いた初期まではかなり上向いているが、花と花後、更には茶色くなって出来上がっている痩果が混じっている状態を目にする機会の方が多いので大抵重みもあってか湾曲して垂れている
このため、サナエタデとオオイヌタデを、立つ・垂れるというような感じで簡単に区別はできない。
サナエタデはせいぜい4cm程度の花序でイヌタデより少し長い程度なので、果実の混じる時期には8cm近くにもなる大型のオオイヌタデとは印象が異なる。
⇒●それが明確な基準ではないので同定には至らない。

周辺のものでは咲き始めから最盛状態までの直立状態の花序の間は完全に花序全体が純白だが、 花後になって再度萼が閉じ始める頃に薄い彩度の低いアズキバーのような渋桃色になるため、やや垂れ始めた頃には花序は白とアズキバーのような色とが混じっている。
(ちょっと汚らしい感もあるが、私の場合は地味物が好きなのでそういうのが好ましい。)
エリア周辺では、P. lapathifoliaには花期が有色になるものは見られない。

サイズと雰囲気が似たものに、茎に毛があり托葉鞘の縁に長い剛毛が突き出ているオオハルタデというものがあるので、これらに関しては近寄って見ないとどちらか分からない。

オオイヌタデが基本種となっていて、サナエタデはそのincanusな変種という扱い。
現在、この記事の群落のものついては未同定…。というか、現実問題、フィールドの様々な形態のものからどんなものもオオイヌタデ・サナエタデとして確実に分離できるのかどうか自体不明。私には、「典型的なもの」に出会った際以外にはどうにもならない。
この写真のタイプはサナエタデらしい感じもあるが、様々な文献の記述と照らすとどうしても中途半端な感じなのでタイトルは「オオイヌタデ内」としておく。
典型的な両種(基本種と変種)以外の群落がかなり多く見られるのだが、交配しているのか連続変異の谷が浅いのかは不明。

全景

オオイヌタデ内 全景 オオイヌタデ内 アズキバーの入った後期の全景 左は花しかない時期のもの、右は花後閉じて色が変わっているものが混じっている後期のもの。タデばかり狙って歩いているわけではない場合、左を見ることはそれほど多くない。

花序と花の様子

オオイヌタデ内 花序 オオイヌタデ内 花 オオイヌタデ内 花 花弁はなく萼が4枚。外側の2枚と内側の2枚になっていて、内側が扁平痩果の腹・背中に位置する。
すべての萼片には、中央部付近に黄色い油の浮いた腺点があり、まだ細く緑の蕾から、花後の変色の時期くらいまでずっとある。
小さいので目立たないが。

葉と葉裏の様子

オオイヌタデ内 葉 オオイヌタデ内 葉裏 葉は披針形で縁がやや波打つ。下部以外では葉柄がないかほとんどない。
成長した葉では主脈の基部側から葉柄は赤味を帯びているものが多い。
側脈はやや目立ち、ほとんど平行で縁には達せず各脈先端側で前向きに屈曲
このタイプの個体の側脈の数は通常言われるオオイヌタデよりは少なめで片側20弱だが、そもそもの葉自体が比して小さいためと思われる。
⇒●個体ごとのサイズがまちまちなため明確な基準になりえない感じなので同定には至らない。
同株内でも、大きくなれた葉と小さなままで伸びきった葉とでは脈の数が大幅に異なる。
斑紋はあったりなかったりのようだが、周囲ではまずある。ただし生長するにしたがって薄くなって消失するものが多い。
葉縁には密に並んだ伏した短毛がある。
葉裏には腺点が密裏面主脈上には直線的な細い毛が斜めに伏して生えている。(目立たない。)
よく見ると側脈上にもかなりまばらでほとんどわからないが微毛が少し生えている。

下部と中部の茎と托葉鞘の様子

オオイヌタデ内 下部の茎 オオイヌタデ内 中部の茎 オオイヌタデ内 托葉鞘 基部付近で頻繁に放射状に分枝して側枝は強く湾曲して真上向きになっている。
茎は下部に行くほど色が赤紫褐色で、強い紫褐色の斑点も増えていく。上部はフラットにきれいな、緑色。
茎は下部の節があまり膨れていない
オオイヌタデでは極端にぷっくり膨れるらしいが…⇒●様々な形態のもので数を見るとそれは明確な基準にはなりえない感じ。
葉鞘は基部から1/3程度のところで横向きに太い脈があり、それより基部には数本縦に太い脈がある。
それより先端側には、細い脈が何本も縦に走っていて、半透明薄皮状。先端でこの脈が毛として突き出ないので、イヌタデやハルタデとは異なる。
先端から2/5程度まではこの脈が朱色で、薄皮の部分も褐色で、色がくっきり分かれる。

果実期へ

オオイヌタデ内 果実期のものが混じった花序 オオイヌタデ内 果実 オオイヌタデ内 果実 花後、萼片は再度閉じて基部側からアズキバーの色に変わっていくものが多い。たまに灰色になるものや逆に鮮やかに紅色になるものも見られる。下に図で示すが特徴的な萼の脈はこの時期もっとも目立つ。
濃い黒茶に熟した痩果が段々透けて見えてくる。痩果はつやつやで扁平なほぼ円形中央部が全体的に弱くくぼむというか、縁がリング状にやや高いというか。「➀」のような形状に浮き出している。

痩果の様子

オオイヌタデ内 ハルタデ 痩果 ハルタデとの比較で。ハルタデでは扁平広卵形で基部側が厚みもあり、更に基部側に小さなリベット状の盛り上がりがある。

萼片の脈と腺点

オオイヌタデ内 萼片の脈と腺点 腺点は先に記したが、脈が面白い。先で縁に到達せずにくるんと巻いている。


花確認:
2008(F7)(F8)
実確認:
2008(C7)(C8)

宮城県版のイヌタデ属
スポンサーサイト






上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。