まつどとか
千葉北西部、
        くさのめも
      周辺ぷち植物誌。
© T. Codd

ヒメイヌガラシ

ヒメイヌガラシ トップ
アブラナ科 イヌガラシ属
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実(形)

Rorippa x brachyceras (Honda) Kitam. ex T.Shimizu

花は半開きで径2.5mmから3mm程度、草丈は25cmから40cm程度。花の終わったものが混じる花序では徒長気味のためややひょろっと見える。花序直前までしっかりした葉はあり、茎はよく分枝している。

イヌガラシとスカシタゴボウの交雑種とされているようで確かに結実していないが、各所腋芽ができ発根しているので環境さえ整えば繁殖可能なのだろう。中間的ではあるが全体的な印象はイヌガラシの方にやや近い。

※環境により、青々としているものと赤紫褐色のものが見られる。他の草も青々とした高水敷草地では全体に緑だが、耕作地等では赤紫褐色が多い。

全景とやや徒長する花序の様子

ヒメイヌガラシ 全景 ヒメイヌガラシ 全景 ヒメイヌガラシ 花序 花序は特徴的。時期遅くなって下の方で花が終わっている花序ではやや徒長した雰囲気、また、子房がほとんどもしくはあまり大きくならない。(ほぼ不稔で種子はまずできていない。)
花柄の長さも花期と終わったものとでほとんど変化がなく、5mm程度。花柄は上方に湾曲していたものが花後には開出する。

花の様子

ヒメイヌガラシ 花 ヒメイヌガラシ 花 ヒメイヌガラシ 花 花は半開き、花弁はしゃもじ形と狭雫形との中間で長さ2mm、オシベは長さ1.5mmから1.8mmで6本、たまに5本。どれもほぼ同長。
萼の外側には1本程度、たまに白い長い軟毛がちょんと生えているが、アブラナ科ではわりと多くの種でこれが出る個体があるので種としての特徴ではないと思われる。

葉の様子


ヒメイヌガラシ 下部の葉 ヒメイヌガラシ 下部の葉 ヒメイヌガラシ 中部の葉 下部の茎葉では基部側1/3から4/5程度が不規則に羽状に深裂する。上方に向かって羽状裂は少なくなり、単純な披針形になる。縁は重鋸歯状にいびつ。各歯は鋭い形状で、二辺はほとんど丸みを帯びず直線的で、荒々しく見える。のっぺりとやや平面的だが脈が浮いていて少し目立つ。

ヒメイヌガラシ 葉の基部 ヒメイヌガラシ 葉の基部裏 ヒメイヌガラシ 葉裏 基部側は一旦くさび形になった後狭い翼状になっている。翼は基部で左右に少し膨らんでいるがほとんどの場合、茎に接する最基部で終わっているので茎を抱かない。基部付近では縁に白い微軟毛が散生するがほとんど分からない。裏も無毛のよう。

茎と葉腋の様子

ヒメイヌガラシ 茎 ヒメイヌガラシ 葉腋上腋芽・発根 茎には稜がある。無毛。
接地しかけているような下部の茎葉の葉腋では腋芽ができていて、その周りから発根している。(根生葉ではない。)
高水敷という環境柄、育った後に土の位置が変化してよく葉腋が接地するため特に出やすいものと思われる。ちなみにこの特徴はスカシタゴボウでも確認、イヌガラシはこれまで葉腋付近が接地しているものを見ていないので不明。

花後の子房(一応果実期)

ヒメイヌガラシ 子房 ヒメイヌガラシ 果実期 左は、できるだけ時間の経った下部のものをサンプリングして撮影。長さ3mmから3.5mm程度。
右は更に進んだ時期のもの。別群落(下のセクションのもの)。こちらの群落では花序の下の方では長さ5mmから6mm程度になっているものも見られた。ふたを外してみたが種子になる部分は膨らまずぺちゃんこのまま白いか萎びて茶色い。0.1mmから0.2mm程度。粉のよう。

畑脇(ほとんど裸地)の個体

ヒメイヌガラシ トップ とある畑の同じ脇部分にやや離れて5株見つかった。同じ場所には、わりと多数のイヌガラシと一株だけのスカシタゴボウが見られた。

ヒメイヌガラシ 全景 ヒメイヌガラシ 花 ヒメイヌガラシ 葉の基部 やはり花序は段々間延びする。こちらも結実せず、葉の最基部は耳状や矢じり状になっていて茎幅より広くなっている。

※イヌガラシ・スカシタゴボウ・ヒメイヌガラシと混生する少し妙な「イヌガラシ」

不明イヌガラシ トップ 不明イヌガラシ 花と果実 イヌガラシ・スカシタゴボウ・ヒメイヌガラシの混在する畑脇に、かたまって数株だけ見つかった。
ややずんぐりしていて、上の方の葉もわりと大きい。
果実は、結実しているしかなり伸びているが、あまり太くはならず、ほとんど斜め上方に湾曲斜上しないでくねくねしながらそのままやや開出・やや斜め上方向に伸びている。
また、花色はブロッコリーほどではないが白味のある感じで薄黄色。(※時間が経って傷んだ花の色のことではなく最盛状態のもので。)
オシベは6本あり、1本だけ短いものが多く見られた。
葉は根生葉を含め切れ込まず、長楕円で基部側は1/3から1/4程度が葉柄状になり葉身がはっきりした翼状、段々細まり葉柄基部までには翼は完全になくなり、茎幅より外に葉身が見えることはない。なお、イヌガラシは通常、基部が耳状になって茎を半ば抱く。

簡単に言えばイヌガラシなのだと思うのだが…ヒメイヌガラシと戻し交配されてしまったものとか穿った見方をしてしまう。
花数が少ないことや葉が切れ込まないこと、ずんぐりしていること(※ただし草丈は同じ。雰囲気の問題。)等から、栄養不足等で妙な姿になっただけのイヌガラシなのだろうとは思われる。(同じ場所に咲くイヌガラシとの花色の違いや葉の基部の形状が気になるが。)


花確認:
2008(F9)(F10)(F11)
2009(F6)
実確認(まず不稔らしいが形状的な観点から時期とする):
2008(C10)(C11)

宮城県版のイヌガラシ属
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