まつどとか
千葉北西部、
        くさのめも
      周辺ぷち植物誌。
© T. Codd

カントウヨメナ

カントウヨメナ トップ
キク科 シオン属
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Aster yomena (Kitam.) Honda var. dentatus (Kitam.) H.Hara

※ヨメナの仲間はKalimerisではなく現在はAster(シオン属)に統合。
花は典型個体の頭花の径で3cmから3.5cm、たまに群落により2.5cmや4cm程度になる。草丈は倒れているものが多いので分かりにくいが、根元から先端までの長さは40cmから80cm程度。若くずんぐりして短い頃だけ、直立している。(なので夏まではだらんと垂れたイメージのままこの植物を探しても見つけられない。)
下部から上部まで均一のバランスでやや分枝するが、開出角は狭いのがほとんどでまとまってスマート。また、栄養状態等も影響するのだろう分枝しないものも結構見られる。
林縁に限らず草むらだろうが伸びるとだらんとのたうったり横に倒れているものが多いので、「性質的に徒長傾向が出やすいもの」と思われる。
花色は薄紫で白に見えるものは周辺では見られない。(撮影する環境次第で写真には白く写ってしまうので予め書いておく。)

近所では住宅地内のわりとところどころの普通の空き地(草地)等でも数年前まで見られたが、ここ数年で急な開発再開により、そういった草地が駅のそばというか自宅のそばにはほとんどなくなり10分程度離れないと見られない。(逆に、元々連続的だった小さな群落は駅から10分離れれば結構ある。)

本来の分布域ではないとされるヨメナも千葉でまれに見られるらしいが、私はとある植物園的な施設の植栽以外は未見。…まぁそもそも単純な地理的分布というものは同定には絶対に使用してはいけない要素なので見かける度にヨメナも検討候補に入れて判断している。(掲示板なんかでは地域をしきりに聞き出してそれで判断して答える人がちょこちょこ居るが、そもそも地域でしか判断できないなら何であるかを答えるべきではない。)
※気候的な分布や土壌成分的な分布に関しては意味がある場合も多いので、その点自体は無視してはいけない。

全景の様子

カントウヨメナ 全景 カントウヨメナ 全景
カントウヨメナ 全景 日陰や深い草地ではひょろひょろ伸びてよく分枝する。また、長すぎるためすぐもたれる。分枝しまくってもユウガギクのように枝が強く開出しないのでスマート。

カントウヨメナ トップ 日当たりがやたらよかったり周囲の草の丈が低い場合は、短いままで徒長せずにしっかり直立する。いつもこうなってくれれば鑑賞用にも悪くないだろうとは思う。
徒長していない分、葉も下部のものとあまり変わらないしっかりした形のものばかりで分かりやすい。

花の様子

カントウヨメナ 花 カントウヨメナ 花 カントウヨメナ 総苞 主茎から分枝して伸びた枝はそれ以上花序の枝をあまり出さずに先端に頭花を同時に一花咲かせるものが多い。雰囲気はにぎやかにはならない。
舌状花は3脈がぽこぽこ目立つ。基本的にはバランスがユウガギク等と異なり、筒状花集合(中央の黄色い部分)のサイズが大きく、舌状花の長さはその0.8倍から1.5倍で、同程度から1.2倍程度のものが多い。舌状花はシルエット的にもやや短いというかやや太い印象。
だが、実際のところひとつひとつつぶさに見れば多様なバランスがあるのでなにかの判断には使用できない。

葉の様子

カントウヨメナ 葉 カントウヨメナ 葉 カントウヨメナ 葉
カントウヨメナ 葉縁 葉形は長楕円から広倒披針形で基部はくさび形・漸先形、鋸歯は先端1/2から2/5程度の位置に数個だけ入り、それより基部側に入るものは少ない。(※これは絶対的なものではなく単に傾向。ちなみにユウガギクは基部側まで入るのが普通。)
鋸歯の形状はユウガギクとは(傾向として)異なり、各鋸歯の左右の辺がかなり真っ直ぐであまり膨らんで湾曲しないので丸っこい鋸歯にならない。下の葉では荒く大きく、上へ行くとちょっと出ている程度、更に上に行くと鋸歯自体なくなる。
鋸歯基部がややだぶついている場合もあるがユウガギクほどはっきりはしない。
脈はわりと目立つ。質は薄く、表面はほとんど無毛のものが多い。たまに点状突起程度に見える毛が散生する。
裏面の方が毛が多いのだが、さすっても大して感じない程度で少ない。
縁付近には縁をやや巻くような短い屈曲毛が生え、この部分は最も毛が多い。

カントウヨメナ 葉 若めで徒長していない株からの写真を追加。下部ではこのようにより広く鋸歯もしっかり強い。 これが典型ではあるのだが、花期に株元を草薮でたどってこれを見るのは結構大変だったりする。もっと下の方では更に太いシルエットのものも見られる。

カントウヨメナ 葉 カントウヨメナ ユウガギク 葉の傾向 左上のように、葉形が細身でユウガギクのように強めの羽状に見えるようなものも確認できるが、やはり鋸歯の左右が直線的で印象が異なり、鋸歯の位置も先端半分程度にだけある。
右の図は、ユウガギクとカントウヨメナの葉の傾向を図示したもの。あくまで典型的なもの、という意味で。

茎の様子

カントウヨメナ 茎 茎には伏した短い屈曲毛が散生する。それほど目立たないし、柔らかい。触ると、一応多少はざらっとした感じ。

花後の頭花と果実(痩果)の様子

カントウヨメナ 花後の若い果実 カントウヨメナ 果実 左の写真のように上から撮るのもよいのだが、カントウヨメナの特徴がはっきり写らない。
右の写真のようにほとんど横やや斜め上から撮ると冠毛の短さも肩の腺毛もはっきり写る

カントウヨメナ 果実 カントウヨメナ 果実 痩果は上部が強くは広がらず、かつ、なで肩で、全体にほっそりスマートで落ち着くシルエット。ユウガギクでは傾向として、上部がかなり広くなり、かついかり肩。
冠毛は0.25mmから0.3mm程度でユウガギクと同程度。
面は全体的に伏した白い剛毛が散生、面の上部では腺毛がやや密に混じる
縁(稜)には上部以外では伏した剛毛が少しだけ生えるが、最太部より上部つまり肩ではほとんど見られずあっても長さが冠毛よりずっと短く、その代わりに腺毛が顕著になる
ユウガギクと大きく異なり明確な区別点となる。
よく熟した痩果では腺毛が目立たなくなっている場合が多いので、その場合は腺毛そのものではなく冠毛と同程度の長さのある伏していない斜上する剛毛が稜の上部にあるかどうか(=ユウガギク)を見るとよい。(腺毛と違い剛毛は萎びたり乾いて小さくなったりしないので。)

カントウヨメナ 果実 こちらは特徴の概略図。

別の場所の群落

カントウヨメナ 全景 カントウヨメナ 全景 カントウヨメナ 花
カントウヨメナ 葉 家のそばでは極端に連続分布していたのだろう、まだ残る住宅地内の畑脇の水路(水漏れで溜まっている感じ。…。)等各所ではこのようなよく裂ける舌状花の特徴的な個体が多い。


花確認:
2007(F8)(F9)
2008(F7)(F8)(F9)(F10)(F11)
2009(F10)
2010(F10)
2012(F8)
実確認:
2008(C10)(C11)
2009(C11)

宮城県版のシオン属
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