まつどとか
千葉北西部、
        くさのめも
      周辺ぷち植物誌。
© T. Codd

アメリカイヌホオズキ

アメリカイヌホオズキ トップ
ナス科 ナス属
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Solanum ptychanthum Dunal

花径は5mmから7mm程度で大抵6mm程度、小さめ。草丈は40cmから70cm程度。
基部ではほぼ直立しその後くるぶしより上辺りから膝下程度で数本に大きく枝分かれしそれぞれが横に開いてぴんと斜上するシルエットが多く、このため、膝上・大腿部中央位の高さで藪で幅を取って横に広がっている。
各部をデータとしてまとめるとオオイヌホオズキとは大きさ以外大した差異が出てこないのだが、印象自体はそれほど似ている感じでもない。
むしろ、テリミノイヌホオズキの荒れ地に生育する状態(葉が細く小さめ)のものに雰囲気、各所サイズとも随分似ている。果実が小さいこと、球状顆粒が多いことと種子が小さく多いこと、果実期の萼形状が先端だけ少し浮いて反る程度で果実に張り付いていること、小花柄が果実とともに取れ落ちる傾向で区別できる。果実期の萼の様子が分かるように標本にしないと区別が難しいと思われる。

ぷち図鑑エリア周辺ではオオイヌホオズキが最も多く、次にテリミノイヌホオズキの荒れ地での状態ものが多く、イヌホオズキがそれに次いで少し見られ、アメリカイヌホオズキは稀。カンザシイヌホオズキと同程度で、たまに突然数株だけが出現して、翌年には見当たらない(※土地柄、頻繁に刈られたり地均しされるのが大きな要因でもあるのだが。目下このエリアは都市開発中。無駄に。)場合が多い。
なお、原産側であるアメリカで1981年以前はSolanum ptychanthumではなくSolanum americanumと誤って認識されていたらしく、文献を読む際に注意が必要。両種についての記載がない文献でS. americanumと書かれている場合にどちらを指して書いているかまずはっきりさせる必要がある。

全草の様子

アメリカイヌホオズキ 全景 アメリカイヌホオズキ全景 アメリカイヌホオズキ 株
よく斜上して伸びたしっかりした茎の各所に数個ずつ黒いしっかりした果実が点々とあるのが秋の枯れた草薮で目立つ。質はかなりしっかりしているがよくしなる。
花と果実を撮ろうとすると先端が奥に向かっている位置から被写界深度を大きくして撮るか、諦めて横位置の写真にして横から枝を撮ることになる。

花序と花の様子

アメリカイヌホオズキ 株 アメリカイヌホオズキ 花序
アメリカイヌホオズキ 花 アメリカイヌホオズキ 花横・葯 花序は大抵3から5花で、3花と4花の部分が多い。よく見れば6花まである部分もあるといえばある。
葯が1mmから1.2mm程度と小さい。正直この種とテリミノイヌホオズキでは相当近づかないと花糸が目立たず葯だけに見えるが、実際には葯と同程度の長さがある。
花冠後ろの裂片中央脈部分を中心に紫が入る花が多いのはオオイヌホオズキ同様で、晩秋以降の寒くなる時期には紫は一層濃くなる。エリアでの個体数が少ないため、オオイヌホオズキ・イヌホオズキ・テリミノイヌホオズキのように冬場の生育があるかは分からない。
花冠裂片はテリミノイヌホオズキのような三角状卵形の裂片のかわいらしい星型ではなく等幅に見える部分がある細長いもの多少縁れているものが多い。

葉の様子

アメリカイヌホオズキ 葉 葉はざらざらした感じというか皺っぽい印象で、形状は狭卵形か等幅で妙に四角く細長い形状(広線状の狭長楕円)が多く縁は不整に間隔のある鋸歯状ないし欠刻状、特に最基部の左右が細身の角(つの)のようにまたは角丸四角状に出ていてることもわりと多い。ただ、葉形はイヌホオズキ以外は株内でもまちまちで何かのまともな参考にはならないので注意。
同一環境にある別種と比べると全体に小さく、下部の大きな葉でも葉柄を含めて5、6cm程度。ただしどの種も環境で大きく変化するので形とともにあまり参考にはならない。(特にあるひとつの種が単独で生えている場合。)
それにしても、こうして写真で見ると自分でもオオイヌホオズキの枝先となんら変わりなく見えてしまう。大きさというのは無意識でも人間にとって重要な要素だと思わされる。

果実と種子・球状顆粒の様子

アメリカイヌホオズキ 若い果実 アメリカイヌホオズキ 果実 アメリカイヌホオズキ 果実
アメリカイヌホオズキ 果実 アメリカイヌホオズキ 種子・球状顆粒
アメリカイヌホオズキ 多果の果序 アメリカイヌホオズキ 多果の果序 果実期にも小花柄間の軸が発達せず、4果・5果(・6果)ある場合でも三段目の二枚のように全てがほとんど一点から散状に出ているように見える。(※実際にはイヌホオズキ類はどれも散形花序ではない。近接しているためそう見えるもので、総状ベース、また、オオイヌホオズキで顕著だがたまに小花序を形成。)
果実は、やや、テリミノイヌホオズキの赤道面が陸上トラックのような形状になるちょっと変形した形態に近くなるものもかなり混じって見られるがそれが極端ではないこととそもそも小さいことから、ほとんどは大体球形には見える
径が小さく、5mmから7mm程度、大抵6mm程度。オオイヌホオズキのように瑞々しくごろんとした「野菜の実のミニチュア」のような印象はない。
若い時期にふけ状斑点が多少見られ、黒熟後すぐ辺りまではつやが強い株も最初から曇った感じにつやがない株もあるが、オオイヌホオズキほど長くは果肉が瑞々しくしっかり硬くなくそれなりに早く柔らかくなっている。テリミノイヌホオズキほど早いかどうかは具体的に同所で比較できていないので不明。
果実期の萼はほとんどの部分が果実に張り付いて先端だけがやや持ち上がるのが普通で質は薄い。果実上部は接点の部分より周囲が盛り上がっていることはない。果実だけ落ちることはそれほど多くはなくぶよっと柔らかくなっている果実を引っ張っても小花柄ごと取れることがわりと多い
種子は小さく1mm程度で小さな果実にも関わらず思いのほか数が多く65から90程度あり(※各果実でばらつきはかなり大きい。)、球状顆粒は5から10程度はある。こちらも果実毎にばらつくので真面目に見る場合同株内でいくつかの果序部から果実を採取して調べる必要がある。


花確認:
2009(F11)
実確認:
2009(C11)

宮城県版のナス属
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