まつどとか
千葉北西部、
        くさのめも
      周辺ぷち植物誌。
© T. Codd

コゴメウツギ

コゴメウツギ トップ
バラ科 コゴメウツギ属
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Stephanandra incisa (Thunb.) Zabel

花は径7mmから8mm程度と小さい。高さ1.5mから2.5m程度で、大抵水平に枝をいくつも伸ばしよく分枝、質が堅いしっかりした細枝なのでひょろっと長くてもわりと水平を保つが、極端に伸びるとさすがに枝垂れているものが結構見られる。
どの位置の葉も表を真上に向けている場合が多く枝数多いことで全体ややこんもりしているため、繁るとこの樹の下は結構暗かったりする。こんもりとした中に入ると中はつんつん多数立った幹・枝ばかりで葉がない空間。
全体の花数は多いが、各部の花序の花は少ない。それでも最盛期には林の縁で白い粒々が遠くからも目立っている。

全景の様子

コゴメウツギ 全景 コゴメウツギ 全景 コゴメウツギ 全景 コゴメウツギ 枝先
コゴメウツギ 枝先 葉ははっきり離れて互生してつき枝一本について見れば少しまばらではある。(枝数が多いので全体としては枚数が多いが。)
枝先と枝先付近のいくつかの葉腋から小さな花序を出し、花序はわりと葉の上に乗っているので、撮影は楽といえば楽。
ただし暗い場合が多く枝も揺れるのでフラッシュ撮影が必要になる場面が多く、白飛びとホワイトバランスに気をつける必要がある。

花序と花の様子

コゴメウツギ 花序 コゴメウツギ 花 コゴメウツギ 花の拡大 花序は散房状で、花数が少なければすっきりしているが多くなるとやや穂(ほ)のようになりかなりぐちゃぐちゃ。その辺、葉の感じや枝の感じと相まってスグリの仲間に少し似ている。科が異なるが。
太った星型の白い花のような部分は萼片で、花弁は米粒を平面に潰した形の細い片(大抵縁が持ち上がって巻いている)。わりと早期に脱落する。
花の中央部の大部分がすり鉢状に半球状に窪み、蜜がぷつぷつ大量に浮いて黄色く染まっている。
白くて毛だらけの饅頭水滴形の子房が中央に浮かんでいるようにあり、その中央あたりから白い花柱が伸び、先端に半透明で生成色(段々黄褐色)で毛だらけの柱頭がある。オシベの葯の倍くらいの大きさ。
すり鉢の上部縁には白い薄いヒレ状の部分があり、その外側で板状に下部が合着した10本の雄しべが出ている(ので、やや王冠状)。中央側にやや湾曲して葯が中央方向に少し集まるような形態。
葯は偏平な円形で濃い黄色の花粉が多数出ていて、帯のように葯隔が少し白っぽく見えている。え?っと、亀の子たわしのような感じ。

以前ノミノハゴロモグサを見た際に「この花の構造はどこかで見たことがある」と思ったのだが、このコゴメウツギと構造が似ている。(ただし、ノミノハゴロモグサのような変則的なメシベ花柱にはなっていなくて、素直な形態。)
花弁はこのヒレ部分より外についていて、狭長楕円(米形)。縁に少しだけ毛が生えてはいるがほとんど目立たない。
萼片は縁に大量の斜上毛が生え毛深い。表面には3脈程度が少し見え先端で集合している。太った三角形か丸みのある五角形で先はやや尖り、先端周辺は目立たないものの多少緑に染まる。
コゴメウツギ 花 コゴメウツギ 花 コゴメウツギ 花後 花後は蜜がなくなり白くなる。右の写真では花弁も脱落し萼や子房も緑に染まりつつあるが、これはこれでまだ咲いている花のようにも見える。

葉の様子

コゴメウツギ 葉 コゴメウツギ 葉 コゴメウツギ 葉
コゴメウツギ 葉の拡大 ほぼ連続的に羽状裂するが、基部付近での一回は特にはっきり中裂しているため先側は括れ、全体として極端な頭大の3卵形のシルエットになる。結構かわいらしい。朝顔の葉的な括れ方。
浅裂は先端に向けて整然と小さくなっていき、大きな裂片では別にちゃんと鋸歯があるが段々先で鋸歯と統合していく。「羽状裂状の重鋸歯」といった感。
先端は極端に細く尾状で、ヤマブキの葉よりも細長く伸びている。基部は切形から、円形や浅心形になっている。
表面は点状にぷつぷつと毛の跡や毛がある。
葉脈は側脈まで目立ち、ほぼ40度?45度程度に整然と並んで斜上している。細脈も側脈から直角に出て多少目立つ。
葉柄は赤紫色になっているため短いもののはっきり存在が目立つ。斜上気味の白い軟毛が多数生える。基部では線状披針形か極細三角形で縁毛の生えた緑の托葉がつんつん斜上している。基部側には鋸歯状の切れ込みが多少見られるものもある。

枝の様子

コゴメウツギ 枝先 コゴメウツギ 枝先 コゴメウツギ 枝先
よく広がった枝。
コゴメウツギ 茎 全体的に薄く縮毛が生え、特に葉のつく位置の下側のヒレ状に出ている部分で目立つ。
枝はより新しい部分では赤紫褐色になっていて鮮やか。(ついでに、切れ込みのある大きめの托葉。)

若い果実の様子

コゴメウツギ 花序 コゴメウツギ 果実 花つきの良かった部分ではこんな感じに。小さな花とはいえ、これだと花期は随分賑やかだったろう。

コゴメウツギ 果実 コゴメウツギ 果実 毛だらけで白かった子房は膨らんで緑になりつつ毛がやや落ちて光沢をいただくようになる。ちょっといびつ。

果実と種子の様子

コゴメウツギ 果実 コゴメウツギ 種子 よく大きくなってせいぜい3mm程度で、随分小さい果実。
この中に種子はふたつしか入っていないので、バランス上大きな種子と言える。また、果皮のみで肉はない。
殻は硬めで小突くと軽快な音がする。
種子は長さ1.6mm程度でへそから縦に隆起があり、全体にやや外方向にいびつな倒卵体。
色味は明るめ。表面はぼこぼこざらざらで、平滑ではないのだが、まぁ肉眼ではほとんど分からないくらいで、つやがないなくらいにしか思えないかもしれない。

花と虫

コゴメウツギ 訪問者 小さな甲虫類が蜜に寄っている。アリと違ってつっついても全く逃げないでお食事。


花確認:
2009(F5)
2010(F5)
2011(F5)
実確認:
2009(C6)
2011(C6)(C7)

宮城県版のコゴメウツギ属
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