まつどとか
千葉北西部、
        くさのめも
      周辺ぷち植物誌。
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カントウヨメナ 陽光地競合なし状態

カントウヨメナ 陽光地競合なし状態 トップ
キク科 シオン属
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Aster yomena (Kitam.) Honda var. dentatus (Kitam.) H.Hara

きちんと管理された田んぼの縁部等他の草が丈低く日当たりもよい場所では、直立しやや矮小な個体がかたまってよく育っている。
草薮や林縁ののたうったひょろひょろしたものと姿がだいぶ異なる。あまりばらばらと同一の種類について記事を増やしても仕方ないのだが、参考用に別途掲載することにした。

花は間延びする形態のものと同じで頭花の径で2.5cmから3cm程度、草丈は20cmから40cm程度。直立し変に間伸びもしないしっかりしたこの形態なら観賞用にもすごくよい姿と感じる。
場所によっては刈られたせいで短くなっている例も当然あるのだが、そうではなく競合さえなければこのような丈に育つ場合も多い。

余談
田んぼの主にもやはり観賞用に残したいという心理が働くようで、草を刈ったり手入れしていてもこの花だけ残して畦を綺麗に飾っている田んぼも田舎の田園風景の中には結構ある。かといって積極的に植えて管理しているとかではなく生えるまま自然に残しているだけという感じで、かたまり具合や飛び地具合が人為的でなくよいリズムでとても心地良い。
ガーデニングブームの昨今の整った路肩や畦とは一線を画した、手入れ自体はまめにされているが自然なふんわり感のある畦が好き。
この文書の多くの写真を撮影した日には、黄色っぽい秋の陽光に薄紫が目にしみて非常に嬉しかったので、小さな田んぼ地の農道のど真ん中に自転車停め、コンビニおにぎりとほうじ茶でご飯にした。

周辺と全景の様子

カントウヨメナ 陽光地競合なし状態 周囲と全景 カントウヨメナ 陽光地競合なし状態 全景 カントウヨメナ 陽光地競合なし状態 全景 カントウヨメナ 陽光地競合なし状態 全景
枝らしい枝としての分枝はそれほどしていない。もちろん枝は枝だが、単純な頭花の軸に見えるような感じのものが多い。
何とか、しっかりしたままよく伸びて花付きもよい個体を探してみる。そういうもので、35cm程度。
カントウヨメナ ユウガギク ヨモギ 陽光地 これはついで。中央下(手前)がカントウヨメナ、左奥の小さめで細かく葉が羽状になっている背が高めのがユウガギク、右奥は更についでだがヨモギ
大抵はユウガギクは白っぽいことになっているが、この辺りではこの白のものとカントウヨメナと同じような薄紫とは半々程度見られるので、色で区別できない。

花の様子

カントウヨメナ 陽光地競合なし状態 花 カントウヨメナ 陽光地競合なし状態 頭花 目にしみるこの色は秋の渋く黄色っぽい光の中でかなり眩しく映える。このはっきりした色は好ましい。
草薮や林縁の間延びした個体と同じ花が咲く。バランスも大きさも変わらない。
横から見ても舌状花のすぐ内側の筒状花の下の方にノコンギクのように冠毛が見えることはない
なお、左の写真の右の花はまだ新しいもので筒状花部分が円卓状。左の花は筒状花が咲き進んでつんつんしべが立っている。中央部のあと二周分程度だけがまだ未開花。つんつん刺の出た饅頭のような形。変化を見ているだけでも可愛らしくて面白い。
よく開花した状態で、舌状花は筒状花部の直径の1.2倍程度の長さ。ユウガギク等と比べれば短めでバランスがよいが、個体・群落ごとにまちまちではある。平均すればそうだなという程度。もちろん、区別には使用できない。
一つ一つの筒状花は、開花前は緑色で、段々辛子色になり、咲くと黄色。時期が進むとくすんだ橙(煮カボチャ色)になり取れていく。

カントウヨメナ 陽光地競合なし状態 総苞 総苞は片が等幅で伸びて先が丸いか卵形になっている。縁の上の方は赤紫に染まる場合が多い。縁全体に白い斜上毛が密生。

下部から中部の葉と上部の葉・茎の様子

カントウヨメナ 陽光地競合なし状態 葉 カントウヨメナ 陽光地競合なし状態 上部の葉と茎 カントウヨメナ 陽光地競合なし状態 茎 カントウヨメナも他の野菊同様、根生葉や下部の葉は元々かなり丸っこく、卵形・倒卵形で縁もかなり丸いのだが。
そこで茎葉。
草むらの中や林縁で長く間延びして育った個体の茎葉では葉の鋸歯は左右辺が割と直線的で全体に丸みが少なく表面もだいぶのっぺりぺらぺらした感じになるのだが、競合のいない陽光地の野太く矮小な個体では、下部の葉とさほど変わらない大きく丸いままで鋸歯も後ろ側の辺が丸っこく、 ぽこぽこ脈と脈の間がキルティングのように膨れた立体的でふんわりした葉がかなり上の方まであるため、全く葉及び全体の印象が変わる。
ちょっとした差で種類が分かれる野菊の類では、見慣れていないとこの差が混乱を招くかもしれない。
なお、縁は裏にわずかに巻いている。
表面はつや自体はないが触るとどちらにさすってもざらっとした感触はなくすべすべしている
最基部の鋸歯から後ろは真っ直ぐ細まる漸先形で続くが最後に基部付近で急に強く細まってその後翼のある葉柄状になる場合が多い。
茎は短い毛が多数生えてはいるが肉眼で全体を見るだけでは毛だらけという印象はない。
詳しく見ると、色が異なりすべすべした質の縦の筋が何本もあり、長めで分かりやすい、上に伏した屈曲毛。それ以外の部分には毛が少なく、かつ極短毛。

果実の様子

カントウヨメナ 陽光地競合なし状態 果実 冠毛は0.2mmから0.3mm程度で、0.25mm程度で大体整っている。王冠のような放射部と痩果との間に軸はない。
各痩果は扁平で倒狭卵形、なで肩ないし肩がほぼない。肩部稜や面に腺毛が生え、拡大写真を撮るとねばねばした印象。ユウガギクでは、広い肩に腺毛ではなく剛毛が生えている。一見して異なる。
このきらきら光っている大量に生えた腺毛は、見た目だけではなく実際に相当ねばねばする。

ユウガギクとの区別云々

カントウヨメナ ユウガギク 葉の傾向 カントウヨメナ 果実
一応は貼りつけておくが、元からの本体記事を参照。…。
カントウヨメナ 別記事

家のすぐそばの個体

カントウヨメナ 陽光地競合なし状態 ぎざぎざ舌状花の全景 カントウヨメナ 陽光地競合なし状態 全景 カントウヨメナ 陽光地競合なし状態 ぎざぎざ舌状花の一叢
カントウヨメナ 陽光地競合なし状態 ぎざぎざ舌状花の頭花 カントウヨメナ 陽光地競合なし状態 ぎざぎざ舌状花の頭花 カントウヨメナ 陽光地競合なし状態 ぎざぎざ舌状花の葉 特殊なものをピックアップしたわけではない。家の周囲では、このような、よく裂けた舌状花のものがほとんど。
私の家のすぐそばでは、駅周辺から離れると、まだ畑、荒れた元耕作地、古いタイプの住宅地等が入り乱れるごちゃごちゃした古い生活エリアが多く残る。
元々周囲はアシ原等湿地性の草地が多かったため、生活道路の脇に水が染み出していたり足元が悪い場所も多い。小さな水路もちょこちょこと家の間を縫って残っている。
このため、カントウヨメナはかつて大量にどこにでも見られ、今も小さくなった塊が斑点状に点在はしている
点在するものの連続的な分布のものを数にするのは難しいが、無理に言えば20箇所ちょっと程度と思われる。それぞれは、数株しかないところから数十株が密集する場所もあるが、どれも人の気が変われば消失するような状態で残っている。ちょっと刈るなり浚えばおしまいになってしまう。
点在する多くは道の脇等なのでこの記事のものと同じようなずんぐりした姿になる。
そして元々連続的な分布だったことをうかがわせる、特徴的な舌状花をしている小群落がほとんど。


花確認:
2010(F11)
2011(F10)
2012(F8)
実確認:
2010(C11)

宮城県版のシオン属
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