まつどとか
千葉北西部、
        くさのめも
      周辺ぷち植物誌。
© T. Codd

和種薄荷内ハッカ寄り※

ハッカ トップ
シソ科 ハッカ属
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※Mentha sp.
姿としてはハッカMentha canadensisの方に近いと思われる

花は径3mm程度、草丈は高さだけでは30cmから40cm程度だが下部で這っている分もあるので実際の長さではもっとある。
強烈なメントール臭があり、一見輪生に見える花序を葉腋につけて段々になっている姿が独特。
写真のものは、緑味の濃い群落で、また茎等がかなり白い長毛で毛深い。葉も長細く基部側に丸みがない。
各部に腺点があり、きらきら黄色っぽく光る。

ハッカ類は、植物の分類とは別に、成分による分類で「和種薄荷」・「洋種薄荷」・「緑薄荷」に分けられていて、洋種薄荷はペパーミントの類、緑薄荷はスペアミントの類、ハッカとヨウシュハッカ(※「洋種薄荷」のことではない。)は和種薄荷とされる模様。和種薄荷の類は強烈なミント臭で、刺激が強い。
日本のものが海外のM. arvensis(ヨウシュハッカ)と比べると成分に違いがあり萼形状にも違いが見られることが古い論文でも言われていて、今は日本で扱われたハッカは別種のMentha canadensis内の変種とされている。

日本に元から自生するハッカ属はヒメハッカ(Mentha japonica (Miq.) Makino)というハッカとはかなり姿の異なる小さな種類のみだとも考えられている模様で、そうであれば里山等はもちろん自然の中でハッカ類の「自生」が見られればあくまでかつて古い時代に栽培由来のものが逃げ出したものなのだろうと思われる。(江戸時代にも栽培は盛んだったとされる。)
もし日本に栽培史以前から自生したと仮定した場合、栽培用交配前の本来の姿である個体は、広島・岡山周辺や山形・北海道周辺は避けて深い自然の中を探せばどこかにまだあるのかもしれないが、江戸時代の扱いの都合でもう絶えている可能性の方が高いかなと思う。(「人間」というものを考えると。)

近代の一時代に作られた漢字の名前付きの「品種」達は系統図を調べれば分かる通り把握できているだけでもまず海外のものの血が入っていて、そもそもどれも圃場での無節操な作出で交配されまくって作られたわけでそれが「農業」という管理レベルで厳密に把握できていたとは到底思えない。M. canadensisとM. arvensisと元の種自体を今分けてみても、国内の場合は二種間が混じっていない個体などほとんどないのではと思われる。

写真のものは、形態的にはヨウシュハッカとされるものより萼片が極端に鋭く細長く長さも萼筒と同じくらいあり葉色もやや緑が強くハッカの方により近い姿と思われるので姿を紹介する意味で掲載する。
家の近所の荒れ地の端では、これと異なり萼片が短く太く全体の色ももう少し黄緑系で葉形が異なる、「ヨウシュハッカに近いのだろう」と思われる姿のものも見られる。(別記事にやはり未同定で載せてある。)
まぁどちらにしろ和種薄荷の系統と思われ臭いはメントール系、十分強烈にきつい。(写真のものの方が家の近所の萼の太いものより更に強い臭いなのだが、どちらも似たようなもの。)
別にミントが嫌いではないが、自然の中で嗅ぐと生活で嗅ぎなれ過ぎているため何だか後悔する臭い。…。

全景

ハッカ 全景 ハッカ 全景 ハッカ 全景 緑が強く、野生味がある。
強烈な臭いだが、好んで食べる虫もいる模様。葉はところどころ虫食いがあり、虫を待ち受けるクモもちょこちょこ見られる。

花序と花の様子

ハッカ 花序周辺 ハッカ 蕾と萼 ハッカ 花序と萼
葉腋毎に取り巻くやや毬のような花序は、よく見ると、短い緑褐色の枝をそれぞれの葉柄の上の位置から出してその先に三全裂した葉片をつけ、先端に濃い赤紫の小花柄の花をほぼ散形につける形態。
ハッカ 花序と萼 ハッカ 花と萼 ハッカ 花
萼には多数の腺点がある。斜上してやや上に曲がる短軟毛が密生する。
萼片は筒部と同程度まで伸び、細く鋭い30度くらいの摘んだような三角形。ヨウシュハッカでは正三角形程度と太く、長さも筒の半分くらいしかないので、大きく異なる点。
花冠は大きく4裂し上片のみが更に少し裂け、他は狭長卵形から長楕円。
やや半開き。写真では薄く写っているが、はっきり分かる薄紫。
外側、特に裂片裏側には開出する長軟毛が多数生える。 花の中は裂片には毛がなく、奥が長軟毛でかなり毛深い。が、筒の穴はしっかり奥まで塞がらずに見えている。
オシベはよく突き出て萼片基部から花冠先端までの長さと同程度の長さ分、花冠から突き出ている。赤紫の葯がきれい。
メシベも同様によく伸びるが、両方同時に同じくらいまで伸びていることはない。メシベ先端は小さく二裂している。

葉と茎の様子

ハッカ 葉 ハッカ 葉表の拡大 ハッカ 葉表の拡大 ハッカ 葉裏の拡大
葉は黄色味のない緑で、細身の長楕円。両端が尖り基部側が円形になっていないのがこの群落のタイプの特徴。また、4cm程度ある。
基部がくさび形から漸先形なのでわかりづらいものの、葉柄もしっかりある。
両面とも毛は生えるが、表面では散生する程度で主脈上と縁のそばに多い以外はそれほど目立たない。裏面は各脈上に前方に屈曲する白い軟毛が密生し目立つ。
表裏とも腺点が目立つが、裏は特にピット状にはっきり「穴」状で目立つ。
脈は主脈と側脈のみ目立ち細脈がほとんど分からないため、葉面全体がすっきりして見える。
ハッカ 茎 茎は四角形。この群落のタイプでは茎は黄色味がない薄緑。白い下向きの軟毛が密生し、稜上に特に多く真っ白に見える。


花確認:
2011(F9)

宮城県版のハッカ属
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