まつどとか
千葉北西部、
        くさのめも
      周辺ぷち植物誌。
© T. Codd

アメリカイヌホオズキ

アメリカイヌホオズキ トップ
ナス科 ナス属(イヌホオズキ類)
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Solanum ptychanthum Dunal

花は平開状態の径で6mmから8mm程度、茎質はしっかりしているが横に伸びたり個体によっては多少這ったりしていて、長さ60cmから1m程度。直立するのが見られないわけではない。スタイルはわりとまちまち。
イヌホオズキ類の中では葉は細めのものが多い傾向。葉縁は全縁でない場合が普通。
仲間の中では花数は少なめで3花と4花がほとんど。たまに5花が混じる。花序はほとんど散状につく。

余談

アメリカイヌホオズキはSolanum americanumではないので注意。現在のSolanum americanum(テリミノイヌホオズキ)と過去のSolanum americanum(=現在はSolanum americanum auct. non.として誤りとなり他の有効名であるSolanum ptycanthumの下にある)は別の標本で、これらの学名の扱いについては学名一覧等からは分からない特殊な事情があるので、知りたい方は提言したシリング氏の論文を参照すること。もちろん英語。
さくっと概要だけ知りたければ、このぷち図鑑のテリミノイヌホオズキの集約ページの方にそれについて少し書いてある。

全景

アメリカイヌホオズキ 全景 アメリカイヌホオズキ 上部の様子 アメリカイヌホオズキ 上部の様子 アメリカイヌホオズキ 全景
強く這ってつるのようになる個体もあるが、大抵はこの個体のように一応やや立って枝はやや横に伸びつつもしっかりしている。

花序と花の様子

アメリカイヌホオズキ 花 アメリカイヌホオズキ 花 アメリカイヌホオズキ 花
アメリカイヌホオズキ 花序 アメリカイヌホオズキ 花序 花序は節のやや下から花柄をつんとやや横に出して、先端に散状に3~5程度の小花柄を出して横向きから少し俯いた向きに花が咲く。
花柄・小花柄とも白い屈曲した短毛がまばらに生える。
花冠は深く5裂し、中央部を残して全体的に後方に少し反るが、反り具合は各花の時期により変化する。肉眼ではほぼ分からないが全体に微毛が生えている。中央部は黄緑で星型になっていて、ややたわんで盛り上がりぷりっとして見える。
中央部では寄り添って真っ直ぐ伸びるオシベが5本、中央でそれよりわずかに長くなるメシベを取り囲んでいる。
オシベ花糸は黄緑で、その先に花糸より少しだけ長い1.5mm程度の赤味のない黄色の葯を前向きに伸ばす。葯は先端に穴ができ、ベージュの花粉を出す。
萼は裂片の切れ込み位置まで伸びる程度で花に張り付く短剣形で、前に伏した白い短毛がまばらに生える。

葉と茎の様子

アメリカイヌホオズキ 葉 アメリカイヌホオズキ 葉 アメリカイヌホオズキ 葉
イヌホオズキ類は種類内でも個体毎に葉形がまちまちで傾向程度にしかならないが… この種は一番細身傾向で、縁はいびつに歯牙状になるものが多い葉柄は長く葉身の1/3程度あり、葉基部は葉柄にやや流れるようになっているのが普通。
大きさは個体や環境でかなりまちまちで、5cm程度のものから15cm以上になるものまである。
アメリカイヌホオズキ 葉の毛 アメリカイヌホオズキ 葉裏 アメリカイヌホオズキ 葉裏の拡大
表面は若い葉を中心につんと立った短毛がぷつぷつ生えている。
裏は脈上に短軟毛が密生、面部には散生。他種と比べると葉裏の毛は少し多めな傾向だが、まちまち。
アメリカイヌホオズキ 茎 茎は節毎に二股になり枝分かれする股では少し紫に染まる。屈曲した白い短軟毛がまばらに生える。
弱い稜があり、節付近では少し顕著になって稜上にはプラスチックのばりのように中途半端な突起ができる。
茎質はしっかりしているが、よくしなる。

果実の様子

アメリカイヌホオズキ 若い果実 アメリカイヌホオズキ 若い果実 花数が少ないため果実も当然少ない。小花柄はあまり伸びず軸も伸びずほぼ散状を保ちそのまま下垂し、ころんと丸い果実が並ぶ。あまり大きくならず6mm~7mm程度。
テリミノイヌホオズキのような角丸直方体状ではなくほぼ球形
若い果実では表面にふけ状斑点がやや見られる。果実は段々紫に染まっていき黒熟する。艶はそれほど強くない。
オオイヌホオズキ同様で中の種子はかなり小さく種子数が多め。また、オオイヌホオズキ同様に球状顆粒が表皮のすぐ下あたりに8個前後(まちまち)見られる。
果実期の萼は果実にやや張り付くかせいぜい水平程度で、先端だけが持ち上がる程度。テリミノイヌホオズキのように強くぷりっと見えるように反ったりしない。
中が熟して柔らかくなるのが遅い上に萼が果実に張り付いているため、見た目熟すと小花柄ごと脱落することが多い。

黒熟後の果実と種子・球状顆粒の様子

アメリカイヌホオズキ 果実 アメリカイヌホオズキ 果実と果実期の萼 アメリカイヌホオズキ 果実
(※なお、この写真で白い粒々が見えるが、これは熟す前に少し見られるふけ状斑点ではなく単に隣の畑地等から飛んでくる砂粒がついているだけ。)
熟した頃にも基本的に小さく7mm~8mm程度で球形、表面は平滑ではなくややあばただが、はっきりつやはある
萼は肥大しているが、この時期もしっかり果実に張り付くか先端だけ持ち上がり、全体的に果実をホールドしている。
アメリカイヌホオズキ 種子と球状顆粒 アメリカイヌホオズキ 種子
アメリカイヌホオズキ 種子 外が黒熟した果実を潰しても中はまだ青々として酸っぱい匂いで、不快臭はなくトマトそっくりの匂い。中もすぐ熟すテリミノイヌホオズキとは異なる。
種子は小さく、長い部分で1mm程度しかない。薄いベージュから生成り。数は多く、60個程度から80個程度はある。
偏平な角丸四角で先端突起は一方に偏っている。
トマトとそっくりでじゅるじゅるっとしたゲル状の組織に包まれる。このため、乾いてこれがぺちゃんこになるまでは種子の様子を捉えづらい。

アメリカイヌホオズキ 球状顆粒 アメリカイヌホオズキ 球状顆粒 果実中には8個程度の球状顆粒が見られ、形も大きさもまちまち。種子とは明らかに表面質感も異なりつまようじ等でつついてみても種子とは全く異なるのが分かる。ざりっ、がりっ、っとざらついた音と感触がある。
この球状顆粒、表面をよく見ると丸い粒が寄り集まって構成されたような感じになっている。(眼では分からないが。)


花確認:
2012(F9)(F10)
実確認:
2012(C9)(C10)

宮城県版のナス属
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