まつどとか
千葉北西部、
        くさのめも
      周辺ぷち植物誌。
© T. Codd

ヤブニンジン

Osmorhiza aristata (Thunb.) Rydb.

花は径2mmから3mm程度と小さく花序全体でも最盛期では径3cmから5cm程度と小さい。
茎は20cmから30cm程度でひょろひょろとして長い。葉腋毎にはっきり枝として出る感じなので弱くくの字に段々になっている。
あまり分枝はしない茎が直立して伸び、二回の整った複散形花序になる。5が基準の数のよう。大花序基部に0から5枚の大総苞があり、花序本数とは直接一致はしていない。ほとんどの場合大花序から出る花柄は5本。先の小花序は短い小花柄のある花を散形につける。ほとんどの場合5枚の小総苞がある。
外側を取り巻く5(まれに4か6)程度は両性花で先に咲き、内側につくものは一見両性花の雄花で、3から8花程度と数はあまり安定せず遅れて伸びる。
両性花の数はかなり安定していて、基本的に、苞の位置と重なる。(※両性花と小総苞の数は必ず一致するわけではない。)
花は完全な白花の他、部分的に紅色に染まるものもある。
両性花が特徴的。

全景の様子

ヤブニンジン 全景 ヤブニンジン 全景 ヤブニンジン 全景 ヤブニンジン 周囲全景
一枚目がよく見られる林内ややや暗めの林縁での状態。結構茂ってはいるが静かな様子。
明るい野原にも生える。脛まで育ってかなり元気。葉もかなりしっかりしている。花つきがいいかというと、そうでもない。あまり変わらない。

大花序・小花序の様子

ヤブニンジン 花序全体 ヤブニンジン 放射状の大花柄 ヤブニンジン 大総苞 ヤブニンジン 花序
少しうなだれている若めの花序全体。このように咲いているものが多いので、ちょっと「残念」感が漂う。
放射状の大花柄、大総苞。0枚のものから5枚あるものまでまちまち。大花柄より大総苞の方が多いことはなさそう。
茎と花茎は基本的に渋赤紫で開出した長い軟毛で暑苦しい。
ヤブニンジン 小総苞 ヤブニンジン 小総苞 小花序にある小総苞。大抵、枚数も形も整っている。狭い披針形で、面では中央脈部分にごく数本だけ白い斜上毛が並んで生える。縁は白く薄くなり、縁が長い白い斜上毛になる。
大花柄・小花柄は毛がかなり少ない。

小花序をステージで並べた様子と両性花・雄花の様子

ヤブニンジン 小花序で外の両性花だけが先に突き出して咲き始めた時期 ヤブニンジン 外の両性花が最盛期の状態 ヤブニンジン 小花序 ヤブニンジン 小花序
まず外側5個の両性花が突き出して開花する。両性花は基部に長い太くなった子房部分があるのですぐそれと分かる。子房部分には白い斜上毛が密生する。
その後に内側の雄花が伸びてきて、両性花のオシベが取れ落ちる頃には雄花が開花している。
ヤブニンジン 両性花の拡大 ヤブニンジン 雄花 左が両性花、右が雄花。
両性花は5花にかなり安定しているが、内側の雄花は栄養状態等に大きく左右されるのか、数はまちまち。
花弁はつまんだような尾状になった卵形で、先端は内側に折れ曲がっているのでシルエットはハートのよう。よく見ると折れた尾が見える。
花色は白のほかはっきりした淡桃色のものもある。
オシベは花弁同士の間に位置していて、折れ曲がった花弁の2倍から2.5倍くらいの長さにやや外に放射する。葯は天側について、白い花粉を溢れさせている。
両性花も雄花も中央には二つの半卵体で先が長く突起になった肉質の広義柱頭がついているが、両性花のものは基部の丸っこい部分が緑色でよりぷっくりしていて、雄花の退化したものは色が白っぽい。どちらも突起部分は白い。
また、どちらの花でも蜜がよく溢れている。

ヤブニンジン 花序 ヤブニンジン 花拡大 サンプルがよくないが、桃色のもの。

葉と茎の様子

ヤブニンジン 葉 ヤブニンジン 葉 ヤブニンジン 茎 葉は2回から3回三出複葉で、それぞれの小葉は分化しかかっている羽状裂
小葉の縁は重鋸歯で、大裂片は楕円なため大裂片同士は重なる。また、強い切れ込みも見られこれも重なる。
小葉の基部は切形か若干垂れる。
葉脈が目立つのでしわしわに見える。葉質は柔らかい。
葉の表面は微軟毛が散生、葉柄や葉裏には多めに毛が生える。
茎・花柄は開出した長めの軟毛で覆われ触ると気持ちいい。
茎や葉柄は赤紫に染まるものが多い。

両性花の花後と果実の様子

ヤブニンジン 花後 ヤブニンジン 果実 ヤブニンジン 果実 花柄も果実も徐々に伸び、果実の膨らんだ部分だけで1.5cm程度になる。

果実の様子

ヤブニンジン 果実 ヤブニンジン 果実拡大 そろそろ果実が3枚におろされそう(離れそう)になっている。
随分細く頭の方が太い、稜のはっきりした形状。これもそれほど大きいわけではないが、花から比べると随分大きいと言える。

幼生株と花茎が伸びる前の様子

ヤブニンジン 幼生株 ヤブニンジン 若い個体 幼生株は長い線形ですべすべした子葉が目立つ。4cm程度ある。果実の段階から想像はついていると思うが。
子葉は別として、割と特徴のある葉なので、葉の段階で区別がつく。


花確認:
2007(F4)(F5)
2008(F4)
2011(F4)
2012(F4)
実確認:
2006(C5)
2007(C4)(C5)(C5)(C6)

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